普通、「割烹」というのは、敷居が高い。 壁に、定番のメニューなんかが白木の札で、品よく飾ってあっても、 値段が書いてないとか、「時価」とか、「うちは、『おまかせ』でやら せてもらってます」というパターンが多い。 しかも、高い。営業マンなら「会社の接待でしか行ったことがない」 という向も多いだろう。なので、デートで「割烹」、というのは、意外 と高い壁なんだ。まあ、大抵、おひとり様コースで、２万円とか。 この壁をあっさり越えられる店が、今回紹介する、銀座（といっても、 ８丁目、だから、最寄駅は新橋ですね）の「しまだ」だ。 「割烹」なんて、若い草食系男子は、絶対に足を踏み入れることが できない領域。そこに、若いあの子を誘うんだ。

お誘いの口上

「割烹」って、行ったことある？
そうだよね、ないよね。なんとなくさ、敷居が高くて、で、会席料理の小鉢
が何個も出されて、なんか、作法もうるさそうでね。

でもね、銀座にね、「立ち呑みカウンター高級割烹」というコンセプトのお店
が数年前にオープンしたんだ。ここの店主は、京都や一流ホテルの料理長
を歴任した人で、「一流割烹の味をリーズナブルな価格で楽しんでもらおう」
ということで「立ち呑みカウンター」なんだね。そう、このコンセプトはね、「俺
のフレンチ、イタリアン、、、、」と同じなんだ。

そう、仕掛け人も同じ人なんだ。ただね、お店の佇いは、人だかりが見える
「俺の、、、、」とは、違い、銀座８丁目の裏路地にひっそりと、表札が出てい
るだけ。それと知らなければ、まず、素通りするくらい控えめなんだ。でもね、
出てくる料理は、一級品だよ。

待ち合わせは、ホテルのロビーで

さて、待ち合わせは、最寄駅の新橋、サラリー
マンの聖地、から、ほど近い、「第一ホテル」の
ロビーにしよう。まさか、彼女を、人混み溢れる
「SL広場」に待たせるわけにはいかないからね。

第一ホテルのロビーは、新橋で、品がある待ち合
わせの穴場だから、覚えておいて損はない。さて、
そこから、線路の下（カード）を潜り、コリドー
街を横切り、小さな路地に入って行く。

お店に入れたら

扉が閉じていて、中の様子が覗えない。でも、
躊躇することはない。扉を開ければ、暖かく君達
を迎い入れてくれる。

運よく、カウンター(10～12人くらいが定員）が
空いてたら、ラッキー。というもの、カウンター
の予約は受け付けない。開店直後の5時に行ければ、
OK。

次のねらい目は、７時前後。というのは、ここは、
時間は２時間制だから。でも、最近は、さすがに、
初期の喧噪は静まって、６時頃でも入れることが
多い。

万一満席の場合は、外に並ぶことになる。彼女が
それを嫌がるなら、そこから徒歩数分の、有名な
おでん屋「お多幸」をエスケーププランしておく
ことをお勧めする。

さて、目出度く入れれば、まず、生ビールで喉を
潤す。

なんか、立ち呑みカウンターで、高級割烹という
ギャップがいいんだね。接客は、若い板さんが
愛想よく接してくれる。

嬉しいことに禁煙。これで、料理とお酒を味わう
ことができる。

メニューは、黒板に手書きで書かれている。
「一流割烹」のメニューは、高いもので、一品、
1500円から1800円と2000円以下。

おなじみの小鉢メニュー（例えば、ポテサラなん
でのもある）は、500円均一。明朗会計だね。

美味しいもののオンパレード

例えば、この時期、「聖護院大根のたいたん」が
あれば、スターターとして、是非、頼みたい。
ホッコリする、京風の味付けが体に優しい。

そして、お酒を頼もう。
ここからの料理は、俄然、日本酒で頂きたい。
京都の賀茂泉とかを冷で。普段は食べられな
い高級食材を使った「雲丹の伊勢海老じゅれ
がけ」これなんか、一流料亭で食べたら、いく
らなんだろう？

1日5食限定だったかな「熊本産すっぽん鍋」。

すっぽんといえば、食べる精力剤！だね。一説
によると、男にはすぐ効き、女には、翌朝に
なって、効くんだそうな。そんな、話をして、
彼女の反応を楽しもう。

試しに、500円の小鉢料理を、箸休めに頼んで
みよう。居酒屋料理の定番「ポテサラ」。
ここのは、まるで、クリームみたいな舌触り。
こんな食感のポテサラは初めてだ。
居酒屋のそれとは一線を画しますね。

「車海老と長芋のかき揚げ」。





味がついているので、そのまま頂く。
エビと長いもの食感がたまらない。

そしてね、〆には、大抵の人が頼んでいるのは、
「からすみ蕎麦」。

カラスミは、ボラの卵巣を塩漬けした高級
食材。これを、惜しげもなく、蕎麦が見え
ない位掛ける。桜スモークの香と程よい塩味。
蕎麦を掻き分け、カラスミを絡めて食べよう。

〆の一品

そして、もう一品。「卵かけごはん」。





これは、名古屋コーチンの卵かけごはんなん
だけど、そこに、パルメジャーﾉがたっぷり
とトッピングされているんだ。そこに、専用
の醤油だれをかけて頂く。パルメジャーノと
卵かけごはんが絶妙なハーモニー！

この2品を、彼女とシェアしよう。

2品とも新鮮な美味しさ。彼女の味覚中枢に
残ること間違いなし。そして、こういう、店
を知っている君の株は上がること間違いなし、
だ。

さて、大人の2軒目へ

さて、美味しさに痺れた彼女、でも、立ち呑
みなので、彼女も少し、足が疲れたはずだ。
そんな彼女を、を2軒目にエスコートしよう。

でも、今日はタクシーは使わない。そう、待ち
合わせた、第一ホテルへ戻る。そして、最上階
のバー「ラウンジ21」へ。

ここは、銀座、汐留方面の夜景が見えるカッ
プル向けの席が、窓際に並ぶ。銀座方面なら、
遠くに、スカイツリーの上部3分の１が見える。それ
を眺めながら、彼女と美味しかった料理を語り
合いながら、ゆっくり、グラスを傾けよう。

本日の「大人の東京デート」　ためになる一言

例え短いデートでも、GAPを作ろう。
女の子は、GAPに弱い。

立ち呑み　⇔　高級割烹　というGAP
立ち呑み　⇒　ホテル最上階のバーへの移動

女の子を退屈させない仕掛けだね。