UAE(アラブ首長国連邦)に移住するということ 〈移住・仕事編〉

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UAE(アラブ首長国連邦)に移住するということ 〈移住・仕事編〉

アッサラーム・アレイクム! こんにちは。ジュメイラです。 3月は新しい生活に向けて、準備を始める人が増える季節。 新天地での勉学や仕事の関係で、引っ越しをされる方も多くいらっしゃることと思います。 今回は引っ越しのシーズンということで、「そもそも、なぜ私がUAEに移住することになったのか?引っ越したか?」「UAEで働くってどうなの?」ということについて、お話しをしてみようと思います。 (上記の写真はYou TubeでDubai Filmさんが公開しているDubai Flow Motion in 4K - A Rob Whitworth Filmの映像から拝借しました)

“インシャー・アッラー”な生活を体現

私は一年前の2014年2月、UAEの首長国の一つであるドバイ首長国に移住しました。なぜドバイに移住することになったかというと、夫の仕事の関係でした。夫が突然、日本の企業を辞めてUAEの企業で働くことを決意し、それに伴い、私も夫と一緒にUAEに住むことになった次第です。いわゆる日本企業から海外赴任の命を受けて派遣される駐在員とは違った立場での移住です。

日本企業からの駐在員との顕著な違いの一つに、「夫が(UAEの)今の企業を退職しない限りUAE在住になる」ことが挙げられます。日本人駐在員の任期は大体3~5年、長い人で10年など、企業や職種によってもさまざま。私の夫は、いつ日本に帰国するのか、一体この先どうなることやら…?皆目見当がつきません。日本に居る親のことも心配です。考え始めたらきりがないので、アラブ圏の人が口癖のように使う「インシャー・アッラー(イスラム教の神・アッラーの思し召しがあれば、神のみぞ知る)」を体現した生活を送っています。

上の文字は、アラビア語で“インシャー・アッラー”と書かれています。アラビア文字は、右から左に読み書きします。
英語もろくに喋れない私ですが、いつ帰国するか分からないならアラビア語ができるようになりたいな~。
インシャー・アッラー。

UAEで生活する日本人

外務省の情報によると、UAEに居る在留邦人数は約3,500人(2013年10月現在)。治安は7首長国のいずれも安定しており、アブダビとドバイには日本人学校があるので、特にこの2つの首長国は、日本人の家族も安心して住むことができる環境が整っています。

中でも、ドバイに住む日本人は、全体の約90%を占めています。
私の知りうる範囲では、ドバイに住む日本人は、ドバイ国際空港からそう離れていない「デイラ地区」という辺りに、大勢住んでいます。昔からUAEに進出している日本企業が、デイラ地区に集まって日本人集落をつくっていた名残があるようです。

最近では「ドバイ・マリーナ地区」も人気があります=写真。住居を自由に決められる駐在員や新規進出を図る日本企業など、この高級住宅エリアを住居に選ぶ日本人が徐々に増えています。

UAEでの働き方・仕事の探し方(現地企業編)

一方、UAEでの現地採用の場合、職種にもよると思いますが基本的には国内(UAE)での勤務が通常業務になります。中東圏への出張ならシリア人やエジプト人など、アラビア語が堪能なスタッフが優先的に出張に行くことになるかと…。

では、UAEに乗り込んで、どうやって職を探すか?
日本のパスポートの場合、1カ月間であれば観光ビザが既に付いているので、パスポート一つでUAEに入国できます。さらに1カ月間延長の申請手続き(有料)をすれば、一度の渡航で最大2カ月間滞在できます。ですので、その期間を利用して、現地企業の仕事を探すのが有効な手段です。日本―ドバイ間で、現地の採用担当と電話やEメールでやり取りして決めることも、場合によっては可能でしょう。

女性であれば、エティハド航空(本社:UAE・アブダビ)、エミレーツ航空(同:UAE・ドバイ)、カタール航空などの客室乗務員の募集が定期的に出るので、そういった口から就職するのも良いかもしれません。

企業に属さず、独立してドバイで仕事する外国人(特に欧米人)もたくさんいます。おそらく、彼らはドバイでの起業を軌道に乗せて、自分もエミラティ―に負けないくらい大金持ちになる!という大きな夢を持ってUAEに来るのでしょう。
ただし、起業するといっても登記する際は、一部例外はありますが、基本的にはエミラティ―のオーナーをバックに付けて、彼らに顧問料を支払わないと企業運営はできません。エミラティ―、自分たちは何もしなくてもお金が入る仕組みを整備していて、賢いです…。

英語さえできれば移住も仕事も、何とかなる!

先ほど英語やアラビア語のことについて、少し触れましたが。ドバイでは英語ができれば、問題なく生活ができます。英語といっても、母国語を英語としない人がほとんどなので、カタコト英語でも大体、通じます。例えば、「トゥモローモーニング、8am。オーケー?」で、ホテルにお迎えに来てくれたり。道路標識なども、必ずアラビア語と英語が一緒に表記されています=写真。

そのため、ドバイに住む人・働く人の必須の語学は、英語です。英語さえ喋れたら、ドバイに集まる世界中の人たちとコミュニケーションが取れます。改めて、英語、凄いです。プラスアルファで「こんにちは」や「さようなら」「ありがとう」など、話す相手の母国語で会話をすると、とても喜んでもらえます。

UAE人と結婚すれば、永住できる!?

じゃあ、結婚が一番手っ取り早い!?と一瞬よぎる方も居るかもしれません。
もし、あなたが女性の場合、エミラティ―の男性と結婚してイスラム教に改宗して、居住ビザを更新し続ければ永住はできるでしょう。子どもができれば、子どもはUAE国籍を持つことも可能です。UAE国籍を持てば、医療費や学費、税金は全てタダ!
ですが、あなた自身のUAE国籍(および永住権)は取れない、と考えておいた方が良いかもしれません。

配偶者がエミラティ―でも、国籍を取れるのは子供だけ。もし、あなた自身がUAE国籍を望むなら、一定期間(たしか何十年単位)UAEに居たことを証明し、アラビア語に堪能で…など、帰化するのに必要な条件をクリアしないといけないので、容易なことではありません。

また、あなたが男性で、お嫁さんがムスリムのエミラティ―女性の場合、あなたも改宗しないと、お嫁さんのご両親や親族が結婚を許さないでしょう。ただでさえ日本人女性がエミラティ―に嫁ぐのにも親族から大反対を受けるお国柄なので、日本人男性の場合、誠意とエミラティ―を納得させる財力がないと、結婚は難しいかもしれません。

世界各国でテロが起こる状況にもかかわらず、UAEは現段階ではテロの脅威は感じることなく、平穏に過ごせています。
まずは、UAEに観光に来て、気に入ったらドバイで働くことを考えてみても良いかもしれません。
インシャー・アッラー!

UAEで働く、その実態や給料は…?

出典: You Tube

待遇は、日本企業の駐在員は厚遇の反面、現地企業の採用となると非常に厳しいのが現状です。
月給が4,000ディルハム(2015年2月現在の日本円で、約13万円)以下の出稼ぎ労働者が全体の40%を占めるのが現状だ、と聞いたことがあります。かくいう私の夫も出稼ぎ労働者に該当しますが。

物価は日本と変わらないか、むしろドバイの方が高いくらい。そのため、レストランやタクシードライバー、ショッピングモールの清掃員として働く出稼ぎ労働者などは、いかに良いサービスをしてチップを貰えるかが勝負になります。低賃金で雇用者を採用する雇用主は、給料以外に住宅と食事を補助しなければいけない法律があります。UAEで働く海外国籍の労働者は、収入レベルによって扶養できる家族の人数が決められているため、単身で出稼ぎに来る男性がとても多いのが現状です。

一見、きらびやかにみえるドバイですが、収入の格差から生じる生活レベルには顕著な違いがあります。観光客やドバイ在住のお金持ちは、お金を出せばこういう光景もヘリコプターに乗って見られますが、一般的なドバイ在住者および労働者は、こういう光景は日常で見ることもなく自宅と職場、あるいはスーパーを往復する生活に明け暮れ、この景色の一部と化すか、こういう場所にすらなかなか行く機会がない(行っても買い物や食事ができない)という人も少なくありません。

UAEでの働き方・仕事の探し方(日本企業編)

ドバイに来ている日本企業の会社名を伺うと、メーカーや商社、石油関連のお仕事をされている企業の方が多くいらっしゃいます。日本企業からドバイへの就職を希望する場合、上記のような企業にアプローチして海外勤務を志望するのが、給料・待遇面で一番安定した働き方になるでしょう。ドバイに限らず、赴任地が希望の場所になるのは難しいかもしれませんが…。

ドバイ在住の日本人駐在員は、ドバイを拠点にしながら、オマーンやカタール、ヨルダン、トルコ、イランといった中東エリアに定期的に出張して業務を統括、日本に進ちょくを報告する、という仕事のスタイルが一般的です。

中東は、国によっても週末の曜日が異なります。日本は土曜日・日曜日が週末ですが、UAEやヨルダンでは金曜日と土曜日だったり。トルコは日本と同じ土曜日・日曜日。オマーンは木曜日・金曜日など。何カ国も掛け持ちで仕事をしている日本人駐在員さんは、年中日本や他国との交渉に明け暮れて、自分の中で区切りをつけないと、ずっと働き続けることになってしまうのが悩みの種だそうです。

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