演技一つで成り上がる『人間力』遠藤要(俳優) (2/2ページ)

日刊大衆



そんな時、知り合いが働いている老人ホームに呼ばれて、脚本を書いてちょっとした劇をやったんです。『人間は馬鹿だから』ってタイトルで、母に何も親孝行できないまま死なせてしまった後悔をテーマに素人ながらに一生懸命作った短い芝居です。終わったら、涙目のおじいちゃんおばあちゃんから、「ありがとう」って感謝されたんですよ。もう、それにバーンと鳥肌たっちゃって、逆に思いっきり感動させられたんです。

もう役者やるしかない。そこで、当時勤めていた土建会社の社長に「仕事、辞めます」と伝えたんです。社長はぼくの家庭事情を知って、色々と世話してくれた父親代わりみたいな人だったので、「何、バカみてえなこと言ってんだ」と説教されると思ったら、「泣き言を垂れて、帰って来るんじゃねえぞ」と励ましてくれました。嬉しかったですね。

役者になってから5年ほどは、舞台やテレビドラマ、映画のエキストラで役者として下積みしました。ハリウッド映画のエキストラとして出演した時はスゲーって思いましたね。だって、2週間がっつり撮られて、映画を見たら、出演シーンは1秒くらいでしたからね(笑)。ギャラが超破格だったからまあ許しますけど(笑)。
怖いものは何もなかったです。たとえ仕事がなくても飢え死にすることはないだろうと思い、ひたすら役者としての成功を目指しました。

その後、映画『クローズZERO』のオーディションに受かり、準主役級の役どころをもらえて、ようやく名前が出る役者になりました。役者をしていて嬉しかったのは、NHKの朝ドラ『てっぱん』に出られたことですね。母親は朝ドラが大好きだったので、天国で観てくれていたんじゃないかなと思います。

役者っていう職業は、大工などの職人と同じだと思うんです。だから、地道に努力を続け、もっと、たくさんの名作に出演して、天国にまで、名を轟かせたいですね。

撮影/弦巻 勝


遠藤要 えんどう・かなめ

1983年12月25日、千葉県生まれ。中学卒業後、土木作業員、大工、塗装職人を経験し、02年に役者を目指し上京。07年公開の『クローズZERO』で800人のオーディションを勝ち抜き、一躍脚光を浴びる。以降、着実に役者としての地位を確立。NHK大河ドラマ『軍師勘兵衛』に出演するなど、数々の映画やテレビドラマに出演する期待の若手俳優。 最新出演作は『オウム真理教と闘った家族の9900日』(フジテレビ)
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