「イスラム国」「タリバン」イスラム過激派が死なない理由 (2/4ページ)

新刊JP

つまり、国際価格に関係なくもともと安く売っていたわけですから、原油安が彼らの資金力に大きく影響するかというと、そうとは言い切れないところがあります。

――「イスラム国」への兵士の流入についてはいかがでしょうか。一時期までシリアとトルコの国境は事実上開放されていましたが今は規制されているようです。

宮田:出入国の規制は行うにしても、それによって兵士の流入が滞りシリアでアサド政権側が勢いを取り戻すようなことになると、トルコは非常に都合が悪いはずですから、なんだかんだ入れているんじゃないかという気はします。
トルコのやり方も無茶苦茶で、本心ではシリアやイラクの一帯に親トルコ政権を作りたいのですが、仮に「イスラム国」が国として成立したとしても、それがそのまま親トルコ的な政権になる可能性は低いでしょう。

――「政権」というお話が出ましたが、今後「イスラム国」が国家として成立する可能性についてはいかがですか?

宮田:アフガニスタンを実効支配していたタリバンは、一応サウジアラビアとUAE、パキスタンが承認していましたが、「イスラム国」についてはそういった国は出てこないと思います。遺跡を燃やしたり破壊したりといった彼らのやり方はイメージ的に非常に悪いので。

――「イスラム国」を国際社会に取り込もうという動きがないとなると、それまで彼らは戦い続けるしか方法がないのでしょうか。

宮田:そう思いますし、たとえばイラクでいえばモスル辺りを米軍やイラク政府軍が制圧したとしても、「イスラム国」の戦闘員は一時的にどこかに散らばるだけで、また戻ってくるでしょうから、彼らの活動自体が息絶えるということはあまり考えられないんですよね。
これはタリバンの時と同じで、北部同盟の攻勢と米軍の空爆によってカブールを放棄してからも、タリバンは存続していますし、来年米軍がアフガニスタンから撤退したらまた勢いを盛り返すでしょう。そういうことを考えると「イスラム国」は死なないと思います。
「イスラム国」が急速に支配地域を広げたやり方もタリバンと似ていて、武力によって地域を制圧したわけではなく、各地域コミュニティの指導者たちが彼らに忠誠を誓う形で支配が広がっていきました。

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