「イスラム国」「タリバン」イスラム過激派が死なない理由 (3/4ページ)

新刊JP

だから、今後スンニ派の部族のリーダーや地域コミュニティの指導者といった人々が「イスラム国」から離反していくというようなことが起これば、単なる武装集団になってしまう可能性はあります。

――「イスラム国」への対応を含めた中東情勢で、今後の鍵になるとされるのがイランです。今行われているイランとアメリカの核交渉が進み、両国の関係が改善されれば、シリアのアサド政権を支えるイランの方針にも変化があるかもしれません。

宮田:それはそうなのですが、そこが中東のややこしいところで、アメリカとイランが接近しすぎると、今度はサウジアラビアやイスラエルが反発します。現にイスラエルのネタニヤフは強く反発していますよね。
アメリカ側にしても、議会は上下院ともに共和党が過半数ですし、その共和党のタカ派はイランへの制裁強化を主張しています。大統領が歴史に名を残すとしたら外交が一番やりやすいので、オバマとしてはイランとの関係改善はぜひとも成し遂げたいところでしょうが、なかなか一筋縄ではいきません。

――「イスラム国」が勢力を拡大した背景には、「イラク戦争後の統治の失敗」があります。今後「イスラム国」を制圧できたとして、この失敗を踏まえるならば、どんな統治が考えられますか?

宮田:一つのアナロジーとしては、レバノン内戦の時の「ターイフ合意」があります。
レバノン内戦は1975年から1990年まで続いて、本当に手のつけられないような内戦だったのですが、1989年にサウジアラビアの仲介で、「各宗派や民族に平等に権力と資源を分配しましょう」という合意がなされて、以降徐々に内戦が収まりました。最後にシリア軍が軍事的に制圧してしまったわけですが、そのシリア軍が撤退した今でも、北部で散発的にテロがあるにせよとりあえず平和は保たれていますし、徐々に内戦によって破壊された街の復興も進んでいます。
やはり、ある国の主権を侵害して、外部から軍事介入するというやり方は良くないのではないかと思います。レバノンのように内戦でめちゃくちゃになったとしても、解決はその国の人に任せるということです。冷たいようですが、外国が介入してもまったくいい結果は出ていません。

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