報ステ古賀発言の波紋…官邸の“エア”圧力に翻弄される狂人の宴|やまもといちろうコラム

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Photo by zhenghu feng via flickr
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 やまもといちろうです。世の中から争いがなくなれば良いなと日々真剣に考えております。

 ところで、報道ステーション(テレビ朝日)の古賀茂明さん降板問題が、素敵な顛末を迎えていて興味深いです。その方面の同志なのか、独立系メディアの岩上安身さんのインタビューを受け、さらにそれが朝日新聞に取り上げられるなど、ある種の朝日新聞とテレビ朝日の考え方の違いやスタンスの異なりが垣間見えるような気もします。

古賀茂明氏「圧力、言われた側がどう感じるかだ」

 古賀さんについては、放送法以前に専門でもないことを適当にテレビで喋り過ぎていたようにも見受けられるので、放送法以前に単なる馬鹿なのではないかという印象もないではありませんが、それをいままで出演させ続けてきた報道ステーション、およびテレビ朝日に対して「馬鹿を使ってあまり根拠の無い政権批判するより、もう少し報道番組らしい事実検証に基づいた政策提言のやり方はあるんじゃないの」という気持ちは強く感じます。

 また、テレビ朝日の言い分は「コメンテーターでの古賀さん降板は、他のコメンテーターと同じく一定の期間が経過したからで、別の出演者と同じ扱い」であるとされています。テレビ朝日は貰い事故というか、まあ面倒な人を使い続けてきたのだから、切るときに揉めて面倒くさいことになるのは仕方が無いのではないでしょうか。TBSラジオで上杉隆さんが降板したときも、確かに似たような騒動があったので、この手の往生際の悪い人が切られた際に起こす面倒も織り込んで、何事も考えておくべきというのがテレビ局としての正しい姿なのかもしれません。

 一方、似たようなケースで爆笑問題の太田光さんが、TBSラジオで問題発言をやらかしてネットで軽く燃えた件もありました。

太田光「安倍首相バカ」発言の何が悪い! 総理の低能揶揄は名誉毀損でないとの判例が

 昔のソ連のアネクドート(冗談)に、赤の広場前で当時のフルシチョフ書記長を「無能だ」と罵った人物が逮捕された容疑が、名誉毀損ではなく国家機密漏洩罪だったというネタがありました。政権批判において、太田光さんのような左翼ネタを打ち出して左気味のメディアが擁護しつつ論陣を張るというオールドスタイルだけど、興味深い事例が少しずつ増えてきたようにも感じます。

 何しろ、安倍晋三首相自らが国会での質疑の中で野党の質問者を壇上から野次ってしまうぐらいの人ですし、意に沿わない報道や論評に対してセンシティブに反応するのは、もはや「安倍政権の主な特徴」に挙げられてしまうほどポピュラーなものです。その意味で、ちょっと走りすぎな安倍政権を、元からの自民党支持者も少しずつ距離を置き始めているのが統一地方選挙の事前調査で出てきてしまったりもするので、すこし頭を冷やすタイミングがあるといいんですけどね。

著者プロフィール

やまもといちろうのジャーナル放談

ブロガー/個人投資家

やまもといちろう

慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数

公式サイト/やまもといちろうBLOG(ブログ)

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