入社3年以内に会社を辞めたゆとり世代たち「26歳/料理研究家」
5人目のゆとり世代は、東京都在住の26歳男性(独身)の高橋善郎さん。大学卒業後、日本食研で働くも1年で退職。現在は、料理研究家として活躍しており、メディアにも多数出演。料理本はすでに2冊出版されている。
ーー就職活動の時のお話をお聞かせください【今回のゆとりくん】
高橋 善郎さん
年齢:26歳(1988年生まれ)
最終学歴:専修大学法学部卒業
職種:料理研究家
現在のお住まい:東京都
出身地:神奈川県
婚姻:独身
家族構成:父、母、長男、長女、妹
大学3年生の時に、友人が人材コンサルティング会社の学生向け自己啓発セミナーや就活セミナーに行っているのを知って「意識高いな…」と思ったのがきっかけで、僕も行くようになって自己分析や人生を振り返るところから始まりました。
実は大学4年の時に、「あるばか」という居酒屋を仲間と立ち上げたり、ベンチャー企業であるフォトクリエイトでインターンを経験していたこともあったんですけど、新卒で入るなら大きい会社に入りたいと思っていて。
大企業でしかできない仕事があるし、一方でベンチャーでしかできないこともあって。スピードの早さとか。どちらも学んでおきたいと思ったんですよね。
学生時代に起業も経験しているけど、僕は「安全な道を通りつつ、自分らしさを見つける」のがいいと思っていたので、就職するのは自然でした。
ーー入社後はどんなお仕事をされたのですか?営業で、量販店を担当する部署にいました。主に百貨店とかスーパーに生鮮3部門を担当していました。仕事は楽しかったですよ。
ではなぜ会社を辞めて料理の道に進もうと思ったのですか?震災がきっかけですかね。僕らの年って大学の卒業式がなかったり、入社式が遅れた世代なんですけど、被災地にボランティアしにいってたんです。
何度か行った中で、同世代の人たちと出会って、やりたいこともできない環境にいる人たちの現実に直面すると、企業の歯車として働いている自分が恥ずかしさを覚えたんです。
僕は環境に恵まれているんだから、好きなことを突き詰めていきたいと思って。
ーーそもそもなぜ料理研究家になろうと?料理を教えたいというより、料理の楽しさを伝えていきたいと思いました。あとは、父が和食料理人ということもあって、父の味を伝えていきたいから。
でもそれってお店でもいいじゃん、と、思うかもしれないんですけど、お店だとお越しいただいた方にしか伝えることができないですし、どうしても視野が狭くなる傾向があります。
セミナーや料理教室などのリアルな場で生徒さんやお客様に伝えることに加えて、様々なメディア媒体を通じてそういった楽しさを伝えることが自分らしいのではないかと思い料理研究家を選びました。
ーー会社を辞めることに関して上司やご両親の反応はどうでしたか?すごくポジティブな上司で、報告した時「会社なんて自分でやりたいことを実現する通過点でしかないから、高橋君がやりたいことをやりなよ!」と背中を押してくれました。だからこそ、この道で頑張ろうと思えました。
親には事後報告で「もったいないね」とは言われましたが、僕にとってはそれがもったいないなんて思っていなくて、やりたいことをしてない自分のほうがもったいない!と思いました。
ーー会社を辞めた後は何から始めたのですか?父のお店で修行を積みながら、朝から夕方まではフォトクリエイトに出戻りをしてアルバイトしていました。
料理研究家として何も実績はなかったので、まず毎日レシピをブログにアップして1年続けることを宣言しました。続けることが本当に苦手だったけど、1年続けることができたんです!
いつ成果が出るかわからなくて本当に辛かったけど、続けることに意味があると思っていたし、「料理の道1本でやっていきたい」という覚悟を持ったからこそ続けられたのだと思います。
ーーブログを続けたことで何か成果はありましたか?まず、自信につながりました。料理を撮るのがうまくなったし、レシピの書き方も学んだりすることができました。今では、多数の媒体でレシピを提供できるようにもなりました。
あとは、知り合いが僕を紹介してくれたり、毎日レシピを作っていたことで、いつでも自分のことを伝えられるように自分で作った料理ブックを持ち歩いていました。
出版社の方に出会った時にも見ていただき、それがきっかけで出版に至ったりといい方向に進んでいきました。ブログをみて料理教室にも来てくれる人もいますよ!

料理の楽しさを伝えたいために月に1回、和食専門料理教室「Family」を主宰しています。和食の基本である、だしの取り方、だしを使い素材の味を活かした料理の作り方、魚のおろし方等を中心にレクチャーしています。
2015年の料理教室はすでに予約いっぱいとなってしまいましたが、企業さんとコラボしてイベントもしているので、そこでも料理の楽しさを伝えています。
ーー今度の目標を教えてください。目標とは少し異なりますが、料理研究家として大切にしていることは、料理の楽しさ、食の大切さを伝えていくことなので、そういった想いをひとりでも多くの方に伝えていければと考えています。
料理が好きになったり、食の大切さを感じるようになってはじめて、料理をパートナーに作ってあげて会話がうまれたり、夫婦円満になるきっかけになるんじゃないかと思うんです。
料理はその方が幸せになるツールの1つだと思っているので、これからもそういった想いをひとりでも多くの人に伝えていきたいです。
これからは国内でマルチに活躍していきたいです。また、海外にも自分の強みとしている「和食」や「日本酒」を楽しく伝えていき、30歳までには父親の料理のエッセンスがつまったおばんざい専門店を海外にプロデュースしたり…という目標も掲げつつ、今後も頑張っていきます。