コスプレイヤー「性被害」の実態…下着盗撮、撮影会でわいせつ行為も

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コスプレを楽しむ少女たちを悪質カメラマンが狙う(写真はイメージです)
コスプレを楽しむ少女たちを悪質カメラマンが狙う(写真はイメージです)

 3月末、産経新聞デジタル版の『衝撃事件の核心』シリーズに「コスプレ14歳少女に“過激”ポーズ強要、わいせつ行為…『撮影会』愛好家SNSに卑劣なワナ」と題した記事が掲載され、コスプレ界隈で話題になっている。

コスプレ14少女に“過激”ポーズ強要、わいせつ行為…「撮影会」愛好家SNSに卑劣なワナ

 同記事では「撮影会」と称して中学2年生の14歳少女を雑木林に誘い込み、ワイセツ行為をしたとして無職の男(51)が今年1月に逮捕された事件を詳報。ネット上では「最低、許せない」「女の子の危機意識のなさも問題」などと様々な意見が飛び交っているが、その中には「私も危ない目にあった」「友達がホテルに連れ込まれた」などといった声が少なからずあった。

 政府戦略「クールジャパン」のコンテンツの一つにも数えられるコスプレだが、その裏側には年端もいかない少女を狙うヤカラがうごめいている危ない状況があるようだ。

「二人だけで撮影」……男が豹変

 同事件では、逮捕された男がコスプレSNSを通じて被害少女の同級生と知り合い、その同級生と何度か撮影会をしていた。それまで怪しい行為がなかったことから同級生は男を信頼し、以前からコスプレに興味があった被害少女を誘って「撮影会をしたい」と男に連絡したという。

 当日、男は野外でボーカロイド「鏡音リン」などのコスプレをした少女たちを普通に撮影していたが、しばらくすると「二人だけで撮影する」と言いだした。同級生を車に残して少女と雑木林に入った男は豹変。少女に「脚をもっと開いて」などと過激なポーズを要求し、さらには下半身を触るなどのワイセツ行為に及んだ。

 少女は恐怖のあまり抵抗できなかったが、帰宅後に母親に相談したことで事件が発覚した。

 このような事件は全国で多発しており、昨年4月にはコスプレのモデル撮影と称して販売目的で女子中学生らのヌード動画を撮影した京都府の男が、児童福祉法違反と児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕されている。

 この現状について、都内でコスプレイヤーとして活動する女性はこう語る。

「コスプレSNSを出会い系のように使っている悪質なユーザーがいる。低年齢の女の子は警戒心が薄いので騙されやすいんです。レイヤー(注:コスプレイヤーの通称)仲間たちが注意喚起したり、運営が悪質ユーザーをチェックしたりしても、被害に遭う女の子はなかなか減りません。また、屋内のコスプレ撮影はラブホテルを使うことも多いのですが、二人きりで入ってそのままヤられてしまうパターンもあります」

 無論、大半のカメラマンは真面目に女の子を撮影している。だが、ごく一部だとしても悪質カメラマンによる性犯罪は被害女性の心に消えない傷を残すため看過できないところだ。

コスプレイベントでは「ローアングラー」が暴走

 悪質カメラマンがいるのは撮影会だけではない。コミケをはじめとしたオタク系イベントではコスプレイヤーが集結し、それをアマチュアカメラマンたちが撮影するという光景がよくみられる。

 そういったイベントに大量出没する「ローアングラー」が問題になっている。ローアングラーとは、スカート姿のコスプレイヤーの下着を狙ってローアングルでカメラを傾ける悪質なカメラマンのことだ。

 昨年(2014年)、大阪で開催されたイベントでは一般開放された公道で女性コスプレイヤーの周囲にローアングラーが群がるなど一部で異様な光景が繰り広げられた。ほとんどのローアングラーは相手の許可を得ていない「盗撮」だといい、なかには撮影した動画や画像をアダルトサイトで販売している業者もいる。

 また、昨年末に開催されたコミケにもローアングラーが出没。真後ろから下着を撮影された女性は「パンツのみはやめてください」と注意したが、逆に罵倒されてしまったと自身のTwitterで明かしている。

 大量のローアングラーに囲まれれば恐怖で撮影を断ることが難しく、勇気を振り絞って注意しても逆ギレされてしまうのだからタチが悪い。「許可のないローアングル撮影・異常接写は禁止」といった撮影ルールが呼びかけられるなど自浄努力が進められているが、悪質なローアングラーは巧みに「撮り逃げ」してしまうようだ。

「有名志向」で過剰露出するコスプレイヤーも

 悪質なカメラマンの行為は言語道断だが、その一方で「コスプレイヤーの過剰露出が被害を誘発している」との指摘もある。実際、コスプレイベントでは胸の谷間を強調したり、短すぎるスカートを着用したりと過度な露出が見受けられるが……。

「デジタル写真集の宣伝目的や有名志向のレイヤーが過激な露出で注目を集めている。そういった女性たちは、あえてパンツが見えるような格好をしたりします。一方で、純粋に趣味で楽しんでいるレイヤーでもキャラを完全再現するために大胆な露出に挑むことがありますが、撮影する側は違いが分からないため、下着を見せびらかしたいわけでもないのにローアングラーに標的にされてしまう」(前出のコスプレイヤー)

 一部月刊誌では「すぐにヤラせるバカ女だらけのサイト」としてコスプレSNSが取り上げられ、簡単な手順で女性を食いまくれると紹介されたこともあった。そういったネガティブイメージが、撮影会での性被害の増加にも少なからず影響しているのだろう。

 もちろん大半のコスプレイヤーは怪しい誘いには乗らないだろうが、若年層を中心に簡単に騙されてしまう女性がいるのも事実。悪いのは明らかに加害者側なのだが、被害をなくすためには女性コスプレイヤー側の全体的な自衛意識の向上も必要だといえそうだ。

(取材・文/佐藤勇馬 Photo by Japanexperterna.se via flicker)

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