中畑清がカギを握る「2015年のキューバ危機」とは!?|プチ鹿島コラム
難しいことはわからなくても身近な話題から「これってこういうことか?」と想像できることがある。
昨年末に「米・キューバ国交交渉へ 外交回復なら1961年以来」(朝日新聞・2014年12月18日)というニュースがあった。野球ファンなら「やはりキューバはうごめいてる」と感じたことだろう。昨年春にキューバが国内選手の海外でのプレーを解禁し、日本に選手が派遣されてきたからだ。まず野球を通してキューバが変わりつつあることを感じた。
米・キューバの国交交渉は野球界にも影響
巨人にセペダ、横浜にグリエル、ロッテにデスパイネ。オヤジジャーナルはこぞって「キューバ(急場)しのぎ」と見出しを打った。
そして「米・キューバ国交交渉へ」というニュース。政治的なことはわからなくても野球界での意味は容易に想像できる。もしアメリカと雪解けしたら「正式ルート」を介してキューバは選手の仲介料を稼げるはず。今までは国宝級の選手にアメリカに亡命され、ただ指をくわえて見ていただけなのに。なんなら、これだけでも国交回復の価値がある。
ではグリエルみたいな若い逸材は今後も日本でプレーするのだろうか? 日本のファンのうっすらとした思いがあった。
しかし……。すでにご存じのように、グリエルは開幕直前になっても日本に来なかった。キューバ政府も一緒になってのらりくらり。しびれを切らした横浜はグリエルと契約解除した。
そして今週。「米、キューバのテロ支援国家指定を解除へ」(CNN・4月8日)。同じ日に「DeNA契約解除 グリエル希望はヤンキース」(日刊スポーツ・4月8日)という記事が出た。
《2日にDeNAを退団したキューバ出身のユリエスキ・グリエル内野手(30)が、ヤンキース入団を希望していると6日、米ヤフースポーツが報じた。》
《グリエルは、米国とキューバの国交正常化交渉の結果として、今後キューバの有力選手のメジャー移籍が増える可能性に言及。自身もキューバ政府に背くことは考えておらず、「正式に許可が出るまで待つつもり」と、合法的な移籍を希望している。》
ヤンキースがグリエルに食指を動かしているという噂は幾度か報じられてきたが、遂に本人が堂々と宣言したのだ。日本で予行演習したあとはさっさとアメリカへ。そんな思惑が見える。
こうなったら中畑清(横浜監督)が意地を見せるしかない。今年好成績を残して「いやー、2015年のキューバ危機を乗り越えたね」と言うしかない。
オヤジジャーナルが泣いて喜ぶはずだ。
著者プロフィール

お笑い芸人(オフィス北野所属)
プチ鹿島
時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)。