中国爆買いツアーで日本の地方空港が復活「中国系LCC参入でバブル発生も」

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中華系航空会社の新規参入でさらなる盛り上がり!?
中華系航空会社の新規参入でさらなる盛り上がり!?

 スカイマークが今年1月経営破たんした事で、開港から5年、ほかの地方空港が苦戦する中でそこそこ健闘し続けていた茨城空港(茨城県小美玉市)。それが一転、経営危機に追い込まれつつあることは、数多くのメディアが報道してきた。つまり国内線をスカイマーク1社、ピンポイント経営だっただけにスカイマーク破たんで空港の存続さえ危ぶまれだしたのだ。

 しかし、ここにきて、再び茨城空港に春の追い風が吹きだしそうな勢いだ。なぜなのか。

右肩上がりで増える利用者。しかし…

 その理由を述べる前に、スカイマーク破たん直後の茨城県の混乱ぶりに触れたい。それはすさまじかった。ピーク時の2014年夏には新千歳や神戸など6路線、10往復が運航していたスカイマークは、破たんの路線見直しで今年9月以降、3路線4往復激便。それに追い打ちをかけるように、4月から成田空港で茨城空港が特化してきたLCC路線の運航を始めた。

「2010年開港前後は、地方空港は赤字の垂れ流し。そんな時、200億円もかけ空港を作るのは暴挙とメディアでは猛批判された。それが蓋をあけると当初は年間20万人の利用者で目標の80万人には遠く及ばず。やっぱりとボロクソに言われた。ところが2013年には38万7000人と伸び、2014年は40万人を超える勢いになってきた。そんな矢先の破たんだっただけに県関係者は真っ青でした」(空港関係者)

「茨城は何があっても撤退しない」

 しかし、茨城空港や茨城県は、ここにきて強気になってきた。

 その理由は、スカイマークが「茨城は何があっても撤退しない」と宣言したこと。そしてスカイマークそのものに、ANAやHISなど大手航空会社や旅行代理店がこぞって支援と株主に手をあげ、存続は120%可能になったこと。茨城県も国の交付金に加え5億円支援金で全面的バックアップに出た。

 しかし、やはり、ここにきて茨城空港が俄然強気になったのは、中国爆買ツアーが茨城空港にも波及しだしたからだ。

 その具体的証拠として、茨城県国際観光推進室の統計が如実だ。

 2013年には茨城に宿泊する団体観光客が、わずか50人前後だった。それが2014年4月から2015年2月まで216団体5961人と急増したのだ。実に100倍を超える勢いだ。

中国系航空会社の参入でバブルが勃発

 地元の観光協会関係者が語る。

「その外国人宿泊者の6割以上が中国人観光客です。激増は茨城空港に入っているLCC春秋航空のおかげ。この春秋航空が2014年4月、関空に入ったことから関空でinし東京見学をして、茨城空港から出る、あるいは逆の茨城in、関空outの中国人観光客が急増。彼らはつくばや水戸に宿泊しています。その背景はなんといっても安さ。上海―茨城は往復航空運賃が1万円台から2万3000円前後と激安。さらに上海―関空は1万円を切ってくる。加えて茨城空港は空港利用者に東京駅までのバス運賃が500円というバカ安さ。施設利用料、保安施設料を入れても成田、羽田よりはるかに安くなるのです」

 実はこの春秋航空の大成功に加え、今度は中国の航空最大手の『中国南方航空』が夏季ダイヤ10月まで週2往復運航の準備に入ったという。それが具体化すれば茨城空港はさらに弾みがつく。災い転じて福となるか。

田村建雄(たむらたてお)
1950年生まれ。地方新聞記者から週刊誌記者に。現在は月刊誌、夕刊紙などに政治、事件記事など寄稿。著書に『ドキュメント外国人犯罪』『中国人毒婦の告白』など多数。
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