水と二酸化炭素からできる「ディーゼル燃料」世界で初給油 (2/3ページ)
この合成燃料は硫黄や芳香族化合物を含まないクリーンなものだ。セタン価はディーゼルエンジンで着火するのに十分なものであり、化石燃料と混ぜて使うのに適しているほか、それ自体でも燃料として使えることが期待される。
■ この燃料は未来を変えるか?
じっさいのところ、この技術は未来につながるのだろうか? ちょっと予想がつかない。そこが、筆者が複雑な思いでこういったニュースを見ているゆえんだ。
これは燃料電池自動車と水素エネルギーにもいえることだが、二酸化炭素や水を使って燃料を作るなら、そうとうなエネルギーが必要だ。それは再生可能エネルギーを使ってまかなわなければエコではない。化石燃料を使って再生可能燃料を作るのであれば本末転倒だ。
しかし再生可能エネルギーは通常は電力の形で供給されるはずなので、そのまま電力として使ったほうが効率がいいはずだ。したがって、この手の二酸化炭素や水を使って燃料を作るのは、余剰電力が発生したときに、それを保存しておくために行って初めて意味が生じるのではないだろうか。
まずは余剰電力を問題にできるほど再生可能エネルギーによる発電を促進しなければならない。そっちのほうがよっぽど大きなハードルではないか。
というわけで、この手の二酸化炭素や水を使って燃料を作る技術は、現時点ではそれほどおめでたいわけではないように思う。じっさい再生可能エネルギーで生成できる燃料は微量だろう。
しかし、ものごとはそう単純ではない。けっきょくのところ、こういうニュースで少し安心した消費者は、化石燃料で走るディーゼル車をまた買ったりするのだ。そして大きなシェアを誇る種類の自動車は社会のインフラ、国のエネルギー政策に与える影響も大きい。