最強かポンコツか、巨人の新外国人フランシスコはヤバすぎる?|プチ鹿島コラム

デイリーニュースオンライン

最強かポンコツか、巨人の新外国人フランシスコはヤバすぎる?|プチ鹿島コラム

 開幕前に「プロ野球 最強の助っ人論」 (中島国章・講談社現代新書)という本を読んだ。著者はラミレス、ホーナー、ペタジーニ、ブロスなどを日本に連れてきた元ヤクルトの敏腕国際スカウト。副題は「なぜヤクルトの外国人選手は“アタリ”が多いのか」。

 興味深かったのは「ウォーニング・トラック・フライ・ボール・ヒッター」というメジャーリーグ用語だ。フェンス際まで飛ばす力はあるが、なかなかフェンスは越えないバッターのこと。著者は発想を転換し、こういうバッターを日本に連れてきたらどうだろうと考えた。

 日本の投手や狭い球場なら彼らは大化けするのでは?と。その狙いは当たった。例えばラミレスであり、バースであったという(ヤクルトもバースとはいつでも契約できる状況だったらしい)。

日本で成功する外国人選手と見事に正反対のタイプ?

 そして日本で成功する外国人選手は「ハングリー」「性格のいい選手」。これらの条件を前提に、著者は時間をかけて選手を追いかけ、自分の目で確認する作業を繰り返した。その結果、無名でも次々に日本で活躍したという。そして中島氏は2005年から「国際部参与」として巨人に招かれる(2012年退職)。

《「私が巨人に行った頃の外国人獲得は名前が優先され、移籍するなり「バリバリの現役メジャーリーガーを獲ってこい」と命ぜられた。これでは以前、巨人はポンコツが多いと揶揄されていたのも当然だろう」》

 と書く。

 さて今シーズン、打撃不振に悩む巨人がシーズン途中で新外国人選手獲得を発表した。前レイズでメジャー通算48本塁打のフアン・フランシスコ。またもやバリバリの現役メジャーリーガー。おまけに、この選手に関するスポーツ紙、タブロイド紙の前評判はこうだ。

・巨人狙うフランシスコ メジャーの評価はパワーだけの「三振王」(日刊ゲンダイ・4月11日)

・巨人の新助っ人フランシスコの気になるメタボ腹と評判(東スポWeb・4月24日)

 書かれていたことをまとめると、

・「パワーはメジャーを見渡してもトップクラスなのは間違いないが三振も多い」

・「メジャーでも有名な“トラブルメーカー”だった」

・「潜在能力は高いのに、どこでもすぐ放出されてきたのは、そうした性格面が理由。」

 などなど。

 どうだろう、先ほど書いた中島氏の日本で成功する外国人選手と見事に正反対のタイプではないか。またしても巨人は失敗したのか?

 しかしこのフランシスコ。素行も含めた前評判の悪さと言い、キャラの立ちぐあいといい、最近多い「真面目に堅実に働く助っ人」に慣れた身としては、どこか懐かしい「目を離せないガイジン」のニオイを放つ。個人的にはなんか気になるのだ。あの出っ張った腹も見てて飽きない。

 1軍デビューした5月2日の試合ではさっそく決勝タイムリーを放ち、いきなり注目された。もしかしてこのまま大活躍するのか、それともやはり飛んだ食わせ物なのか?

 いつか3ランを放ったら「3フランシスコ・ジャイアンツ」と、どこのスポーツ紙がダジャレ見出しで攻めてくるのか? しばらくこっそり注目したい。

著者プロフィール

putikashima

お笑い芸人(オフィス北野所属)

プチ鹿島

時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)。

「最強かポンコツか、巨人の新外国人フランシスコはヤバすぎる?|プチ鹿島コラム」のページです。デイリーニュースオンラインは、巨人プロ野球プチ鹿島連載などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧