世界が終わるのも悪くないと思える楽しい終末作品8選

Kotaku

世界が終わるのも悪くないと思える楽しい終末作品8選


世界の終わり......なんとも嫌な響きですが、以下の終末をテーマにした作品群を見れば(読めば)、もしかしたら世界の終わりもそんなに悪くないと思えるかもしれません。

今回は、『A.I.』の原案として知られるブライアン・オールディスの言う所の「心地よい破滅」を描いた終末作品を8本ご紹介します。


■『ラストマン・オン・アース』(ドラマ)

性欲にも忠実


アメリカで何かしらのウィルスが発生したのか、地球最後の男になってしまった主人公(病的なまでに嘘つき!)が、屍体もゾンビも出てこないクリーンな世界でやりたい放題。

彼を脅かすようなものは登場せず、家主を失った豪邸に住み、ローカルショップを襲い(誰もいないので襲うという表現は違うのかもしれませんが)、親に怒られそうなことや警察に捕まりそうなことを片っ端からやっていきます

本ドラマは、終末世界を舞台とした完全なるコメディで、生き残った女性とのハチャメチャなロマンスも展開。主人公は厄介者で、周りにいたら煙たがれるタイプの男ですが、この作品を見ていたら世界の終わりも悪くないと思えるに違いないです。


■『アドベンチャー・タイム』(アニメ)

核戦争の後に魔法が復活... なんだか微妙な気持ちになる設定


史上最高の人類滅亡コメディ集でも取り上げた本作は、マッシュルーム戦争という核戦争後の荒廃した架空の大陸「ウー大陸」が舞台です。

このウー大陸では、核爆弾の爆発が原因で魔法が復活しており、モンスターやお化けが登場しますが、主人公のフィンとジェイクはハッピー。戦争や核といったキーワードは非常に暗いですが、そんなことを感じさせないホンワカした雰囲気は、まさに「心地よい破滅」そのものではないでしょうか。


■『ヨコハマ買い出し紀行』(漫画)

数少ない人間とロボットが仲良く暮らす


芦奈野ひとし氏著の近未来SF漫画。温暖化が進んで海面が上昇し、産業の生産と人口は減少。さらには文明もだんだん衰退しているものの、人々や謎の生物、ロボットが平和に暮らしているという、何とも不思議な世界が舞台です。

主人公は喫茶店を営むロボットでありながら、人間味のあるアルファ。物語はアルファが静かな日々を好む人たちと送る日常生活をベースに進む、ポスト・アポカリプスものとは思えないほど、のんびりとした内容となっています。


■『大地は永遠に』(小説)

意識高い系の主人公


近年、地球が突然戦争や病気といったもので住民を失い、その後何年にも渡って暴力や重苦しい雰囲気に包まれるといったタイプの終末/ディストピアものがメジャーです。

しかし、ジョージ・R・スチュワートの『大地は永遠に』の主人公イシャーウッド(イシュ)はウィルスの被害を免れ、世界中のほとんどの人々が死んでしまった事実に直面した後に、「人類文明の保存並びに復興」という非常に真面目で前向きな目的を掲げて奮闘します。

意識の高い人達だけで構成した小さなコミュニティーを作り、その中でかつての文明を活かしつつ、自給自足で暮らすのです。そうして数々の困難を乗り越え、コミュニティーも成長していきます。

そこで長となったイシュは、かつてのアメリカ文化を知る唯一の人物となります。新しい世界を生きる人々の中では、教養よりも迷信の方が一般的になりますが、終末前の悪い習慣がなくなり、新たな道を歩み始めたのも悪くないとイシュは思うのです。


■『スペースダンディ』第4話「死んでも死にきれない時もあるじゃんよ」(アニメ)

平等になれば争いも起こらない


ゾンビウィルスを持ったエイリアンに噛まれたアロハオエ号のクルー、ミャウがゾンビになったことを皮切りに、ロボットを含む全ての生物がゾンビになってしまいます。結果的にみんなが平等にゾンビ化したため、生きていようが死んでいようが特に変わらない生活を送り、戦争も起こらず、調和も取れるという、これ以上ないハッピーな展開になります。

俺たちは腐ってるんじゃない、発酵してるんだ!」という主人公のセリフは、いつの日か私たちがゾンビ化してしまった時にぜひ使いたい名言です。


■『The World Ends in Hickory Hollow』(小説)

終末に備えて今から自給自足の生活を


この小説は他とは違う視点で終末世界を描いています。アーダス・メイハーの『The World Ends in Hickory Hollow』は、田舎で育ったカップルが都会にでて働き、子供をもうけて生活するものの、都会のスピードに疲れてしまいUターンを決意。

その頃、爆弾によってほとんどの人が死んでしまったにも関わらず、すでにテキサスの東、ヒッコリーホローで自給自足生活をしていたザックとルシンダはそんな大惨事に気づきません。農家の電気がつかないことでようやく異変に気づく程度。しかし、文明が崩壊しつつあってもヒッコリーホローの住人はなんのその、以前とほとんど変わりなく、以前より増して近所同士で助け合います。

のほほんとした展開だけで物語が終わるわけもなく、他の町からやってきたガラの悪い(なんてもんじゃない)奴らに村が襲われるといった事件も起きますが、全体的にとても楽観的。文明に頼りすぎることなく生きる方法さえ知っていれば、終末世界の訪れに怯えることはないと思わせてくれる作品です。


■『ザ・スタンド』(小説、TVミニシリーズ)

読み応えのあるものを探している人にぴったり


殺人ウィルスによってほぼ壊滅状態になったアメリカで、生き残った人間たちが善と悪の戦いを繰り広げる、スティーブン・キングのポスト・アポカリプス・ホラー超長編小説。

預言者の夢に導かれてコロラド州のボルダーを目指し、協力、勤勉、民主主義を基本とする新しい文明を育もうとする善の生存者と、ラスベガスに住むランドール・フラッグをリーダーとする悪の生存者達が『ロード・オブ・ザ・リング』的な戦いを繰り広げる壮大なストーリーです。

現在、映画化の話が進んでおり、4部作になるかもしれないとのこと。公開前に、中だるみすることなく一気に読める超長編小説ということで大人気の『ザ・スタンド』を押さえておくと良いかもしれません。


■『人類滅亡-Life After People-』(TV)

訳者一番のオススメ


建物、資源、家庭で飼われていたペットや野生動物、人間が突如として消え、手入れする人間がいなくなったらどうなるのか...? といった滅亡後の世界への疑問を、コンピューターグラフィックを使って科学的に分析していく人気シリーズです。

番組では最終的に自然が世界を癒し、急速に人間が破壊活動(発展ともいう)をする前の姿に復活させるだろうと結論付けます。その世界を見ると、地球上から人間がいなくなってしまうのは悲しいことに違いありませんが、決して悪く無いと思えるのではないでしょうか。


[via io9

中川真知子

「世界が終わるのも悪くないと思える楽しい終末作品8選」のページです。デイリーニュースオンラインは、ホラー書籍ゾンビSF/ファンタジーコラムカルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る