ネットと出版社の原稿料の差について / 年収2000万円超の女性ライターも存在

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ネットと出版社の原稿料の差について / 年収2000万円超の女性ライターも存在

漫画評論家・伊藤剛氏のツイートを機に、フリーライターのギャラの安さ(主にウェブ媒体)が話題になっているようだ。

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・伊藤剛氏の書き込み
ライター仕事の価格破壊がひどいらしい。とくにウェブ媒体。 ライター仕事を始めた1997年ごろ、400字5000円は「安くて申し訳ありません」という額だった。 2000年代なかごろ、同じ400字5000円は「お、まともな額の仕事が来たぞ」という感じになった。いまはさらに、なのか(引用ここまで)

一連のツイートがまとめられたtogetterを見ると、途中から、ひどい案件自慢の様相を呈している。しかし、本当にそうなのだろうか。

・記事1本600円の執筆依頼
もちろん、紙媒体でもウェブ媒体でも、ひどい案件があるのは事実だ(どこの業界でも同じだと思うが)。やはりこういうのは知人の実話が一番ぐっとくるので、人気スポーツライター・高崎計三先生のツイートを紹介したい。

・高崎計三先生の書き込み
以前、今は亡き携帯サイトの仕事が一本2000円だったんだけど、片道700円ぐらいかかる場所での取材記事を依頼されて、「さすがに交通費は別で出るよね?」って聞いたら「すみません、込みで…」と言うので、思いっきり説教して断った記憶が(引用ここまで)

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・ニュースサイトの原稿料相場
しかし、昔のウェブ媒体は確かにお金にならなかったけど、今はまともになってきているというのが私の認識だ。

・ニフティの映画紹介1本1000円
2002年頃の実話だと、知人の映画ライターが、ニフティの映画紹介ページの原稿を1本1000円で書いていた(試写会は招待してもらえるが交通費は自腹)。『FLiX』の編集者がサイトを仕切っており、そいつが抜いていただけだと思うのだが、当時のウェブは広告でのマネタイズも簡単ではなかったし、仕方ない部分はあるだろう。

・5万PVごとに5000円プラス等
そして、2015年現在は、一般のニュースサイトの記事で、1本2500円~5000円(基本、取材なし)+インセンティブ(5万PVごとに5000円プラス等)くらいが相場らしい(一応、2媒体にヒアリングはした。どちらも出版社系)。1PVあたり0.3~0.5円の広告収入が発生すると考えると、まあ妥当ではないだろうか。

・『ぐるなび』の特集はギャラ良し
また、ニュースサイトと月額で契約しているライターもいる。数カ月前にスタートアップ系のニュースサイトと月額契約しているライターに話を聞いたが、それ以外の単発の仕事でも、1記事あたりのギャラが1万円を下回ることはないとのことで(2万円以上のものも多いようだ)、ウェブ媒体もギャラが高くなったのだなと実感した。『ぐるなび』の特集記事などもギャラが良いらしい。

・年収2000万円超の女性ライター
ウェブ媒体ではないが、年収2000万円以上のパチンコ誌の女性ライターも実在するし(正確には、専門誌ライターという肩書きを使って、ホールイベントのギャラ=1回約20万円や動画出演で稼ぐというビジネスモデル)、要はやりようではないだろうか。

・記事が別の価値を生み出すケース
ネットライターとして稼ぎたいのならPVを集められる書き方を修得すればいいし、高単価なウェブ媒体に執筆の場を移してもいい。評論はお金にならないけど、それが大学でやる講義の人気につながっているとか、記事が別の価値を生み出すケースもあるだろう(上記の女性ライターもそのパターン)。

以上、ライターは確かに大変な部分もあるが、そんなに状況は悪くないのでは。

執筆: 鈴木収春(不明研究室) http://fumeiya.net/

もっと詳しく読む: バズプラスニュース Buzz+ http://buzz-plus.com/article/2015/05/15/genkoryo/

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