課題解決ゲーム「インバスケット」を行うと高められる10の能力
![](https://image.dailynewsonline.jp/media/1/0/10aac3fa3382cdc6f7756621c9b1f5c23fe6e386_w=666_h=329_t=r_hs=a63c8661a215d6d684202d028ca0927f.jpeg)
以前、『たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく』(鳥原隆志著、KADOKAWA/中経出版)を紹介しましたが、そこでも触れたインバスケットは、時間内に多くの判断を行っていくビジネス・シミュレーションゲーム。
ゲームと言っても、制限時間内に架空の人物になりきって課題を解決していく、真剣なものです。
きょうご紹介する『ビジネス偏差値 70の人の答え 40の人の答え』(鳥原隆志著、朝日新聞出版)もまた、この手法について詳しく解説した書籍です。
その第一人者である著者によれば、インバスケットの目的は、次の10の能力を測定・育成することにあるのだとか。人材育成に有効だというわけですが、そのメリットを確認してみましょう。
■1:問題発見力
目標と現状とのギャップや、本質的な問題、組織の課題を形成する能力。
■2:問題分析力
仮説を立て、それを立証するために必要な情報を効果的に収集。そして問題を究明する能力。
■3:創造力
従来の枠組みを破る考え方や、さまざまな情報を組み合わせた対策、アイデアを出す能力。
■4:意思決定力
的確に判断を下し、その理由を論理的に説明できるだけの能力。
■5:洞察力
全体の流れや他の案件との関連性などを把握し、意思決定や明確な計画を形成する能力。
■6:計画組織力
部下や組織を有効に活用し、効率的・効果的に組織を運用する能力。
■7:当事者意識
自ら主体的に意思決定を行ない、自分またはチームになにが求められているのかを察知する意識
■8:ヒューマンスキル
コミュニケーション能力、感受性、コーチング能力などの対人関係能力。
■9:生産性
限られた時間のなかで、効率的に多くの案件を処理する能力。
■10:優先順位設定
業務の重要性を考慮して、処理すべき案件の順番を考える能力。
これらについて、各個人の正確なデータが割り出せるからこそ、部下の能力を知り、効果的に働いてもらうためのツールとして注目されているというわけです。
さらに本書では新たに、行動を点数化する「スコアリング」も取り入れられているため、インバスケットの効能をより活用することが可能。「結果を出す人」に共通する思考と行動プロセスをより的確に学べます。
具体例も数多く紹介されており、とてもわかりやすい内容。部下を持つ人は、きっと円滑なコミュニケーションのヒントがつかめるはずです。
(文/印南敦史)
【参考】
※鳥原隆志(2015)『ビジネス偏差値 70の人の答え 40の人の答え』朝日新聞出版