マンガの常識を変えた天才 手塚治虫の名言集 (2/2ページ)
そう、手塚治虫は好奇心の塊。そして、類い稀な実行力の持ち主でした。
「いい映画をたくさん観なさい。いい小説をたくさん読みなさい。いい音楽をたくさん聴きなさい」
と周囲にアドバイスしたように、さまざまなものを貪欲に吸収し、マンガという世界で昇華させていったのです。
■世間のイメージとのギャップも!?『ブラック・ジャック創作秘話』の手塚治虫
そんな手塚治虫の想いは、どうやらきちんと次の世代へ受け継がれているようです。
2009年から2014年にかけて連載され、2012年の「このマンガがすごい!」オトコ編1位を受賞した『ブラック・ジャック創作秘話 ~手塚治虫の仕事場から~』(作・宮崎克/漫画・吉本浩二)。これは、関係者の証言から“肉体労働者”としての手塚治虫を浮き彫りにした伝記マンガです。
「このコマ30秒で描いてください!!」
「ものを創る人がパーフェクトを目指さなくてどうするんですか!」
など、そこには手塚治虫の熱くて激烈な言葉がずらり。
その一方で、
「みなさん私のベレー帽を捜してください!! あれがないと描けないんです!!」
と言って周囲を慌てさせたり、
「スイカがないと描けません!」
という子どものような駄々をこねるお茶目な一面も(スイカ以外にも、チョコ、スリッパ、ハム、メロンなどのパターンあり)。等身大の手塚治虫が生き生きと描かれています。
アニメ制作の進行が遅れに遅れているとき、原稿執筆でボロボロになった手塚がピンチヒッターとして現れ、「これは手塚!! 私が描きましょう!!」とほとんどの仕事をさらっていくバイタリティーは驚愕ものですが、さらにすごいのがこの言葉??。
「ちゃんとした絵で中国の人にも楽しんでもらわないと!!」
これは、無許可で発行された中国版の『鉄腕アトム』を目にしたときのひと言。絵は引き伸ばされ、アトムがまったくの別物になっているのを目の当たりにし、手塚はすべてを描き直すというのです! しかも、原稿料も印税もなしの完全ボランティアで!!
彼にとっては、自分が産み出した作品は我が子同然。どんなに手間をかけても惜しくない存在なのですね。
これらの名言から彼のすごさに触れた後は、実際に手塚作品を読んでみてください。パーフェクトな世界観に、きっと打ちのめされるはずです。
★参考文献:
・手塚治虫 壁を超える言葉 - 手塚治虫 / 松谷孝征 -
・ブラック・ジャック創作秘話 ~手塚治虫の仕事場から~ - 吉本浩二 / 宮崎克 -
★記事:ぶくまる編集部