【歴史マニアの女医コラム】クレオパトラは本当に蛇の毒で自殺したのか! 違う死因の可能性アリ (2/3ページ)
彼女は三頭政治の1人・アントニウスに呼び出されてしまいます。この危機を彼女はどうやって乗り切ったのか?
って、武器は一つしかありませんよね♪ クレオパトラは【女神のように着飾り、香を焚いて色気ムンムンでアントニウスの元へ】赴きます。はい、彼も陥落です。というか、2人は3人の子をもうけるのです。
その後は色々ありまして、クレオパトラに肩入れしすぎたアントニウスはローマ市民に嫌われ、オクタウィアヌスとの戦いに敗北。このときクレオパトラが死んだとの誤報を聞き自害してしまいます。そして彼女もオクタウィアヌスに屈することを拒み、自らの命を絶つのですが・・・。
ここで本題です♪ クレオパトラはコブラに胸を噛ませ自殺したと伝えられます。けど、そんな計算通りに自殺できるものか。皆さん、疑問はありません?
私が『蛇にかまれた人を診察した経験はない』ことをご了承くださいね♪
・自殺に使われたアスプコブラは神経毒
一口にヘビと言いましても、ハブとコブラでは毒の種類が全く異なります。神経毒と出血毒、血液凝固毒、筋肉毒に大別されるのですが、クレオパトラが自殺に使ったとされる『アスプコブラ』は『神経毒』です。
アスプコブラがどの毒を持つか正確には調べられませんでしたが、おそらくαないしβブンガロトキシンではないかと推測。コブラ科のヘビが持つこの毒は神経筋接合部でのアセチルコリンの働きを妨げます。
アセチルコリンはこの部分で神経から筋肉に収縮する命令を伝える物質ですので、その働きが妨害されると筋肉は緩みっぱなし(弛緩状態)になり、そこで横隔膜が麻痺してしまうと呼吸ができなくなって死に至るのです。
アスプコブラの毒は割と強く、小柄な女性であれば50mg程度の毒で死亡します。しかし同程度の毒性で毒量が多いキングコブラ(体長3メートル)に噛まれても即死することはなく、死ぬまでに数十分程度はかかります。
もともとクレオパトラは毒に詳しく、眠るように死ねるアスプコブラを自殺の手段に選んだと伝えられますが……。