スウェーデン生まれの100年ブランド、デザイン性の高さの割りには価格抑え目の家電を出すことで定評のあるエレクトロラックスから、最新型のスティック型掃除機『エルゴラピード・リチウム ZB3114AK』（希望小売価格 税抜43800円・2015年4月24日予約開始）が登場。


従来の「エルゴラピード」と同じ、スティックタイプでありながらハンディでも使える2in1方式の掃除機。違いは高性能なリチウム電池を使用していることで、従来品の約2万円と比べグンとお値段アップだが、その使い心地はどうなのか。

■見た目は文句なしにスタイリッシュ
掃除機といえば収納しにくい家電の代表格。しまい込めば出す時に面倒なので部屋の隅に出しっぱなしということも多いのではないだろうか。ただその場合はどうしても見た目が良くない。ノズルがうねうねと際立って生活感満点のデザインの国産掃除機がそこにあるだけで、部屋の雰囲気を台無しに出来る。
ダイソンなどのハイブランド商品ならそれでもまだ格好はつくが、いかんせん高価なのとデザイン性が強すぎてインテリアを選ぶというのも問題だ。

出しっぱなしで問題ないということを考えると候補になるのはスティックタイプ。ただこれも帯に短し襷に長しで、吸引力が弱いのでメイン掃除機にはしにくいし、細かいところはハンディタイプが欲しくなるというジレンマがあった。
そんな時、登場したのがスタイリッシュなデザインの、エレクトロラックス「エルゴラピード」。何とスティックタイプでありながら、中心部を外してハンディタイプとしても使える2in1方式。シックなデザインは若干お高めではあるけれど、本格ハイブランドまではいかない絶妙な価格設定で魅力的な商品。



■値段は倍だが、充電時間と連続使用時間が改善！
かなり完璧だった「エルゴラピード」だが、やはり充電式ゆえの不満もあった。充電池が旧タイプのニッケル水素電池を使用しているがゆえに、充電時間16時間もかけて連続使用が25分という短さが弱点だった。この電池、往年のノートパソコンでも使われていたが、中途充電するとメモリ効果でフル充電がしにくくなるのもウィークポイントで、廉価ではあるが、近年は余り使われなくなった代物。

現在の主流はリチウムイオン電池。ということでこの『エルゴラピード・リチウム ZB3114AK』の登場である。そのお陰で充電時間は4時間に短縮、駆動時間も10分追加の35分となった。その分グンとお値段は上昇してしまったが、掃除機の10分はけっこうでかい。
従来の駆動時間25分というのもあくまで最大値であって、通常モードで25分のところハイパワーモードで使用すると10分くらいで電池切れを起こしてしまっていた。一気に掃除しないと途中で止まる、そのプレッシャーは結構辛かったものだ。


■実際に『エルゴラピード・リチウム ZB3114AK』を使ってみた
さて実際に『エルゴラピード・リチウム ZB3114AK』を使用してみよう。特筆すべきはやはりその見た目。ローズゴールドというオレンジとピンクの中間辺りの色味は絶妙。高級感もあるし、なだらかなフォルムも実にかっこいい。細部まできちんとデザインされている、その死角の無さがさすがエレクトロラックス！

充電スタンドに置いて充電すること4時間でフル充電。シャキッと自立しているその姿には見とれてしまう。オレンジ色のインジケーターで充電状況がわかるようになってる。
充電が終わり、いざ掃除しようと持ち上げると、結構ズシッと来る。女子の片手では余りある重量感。ただ使用時はその重さに直撃されるわけではない。下部のローラーシステムが大型で非常に優秀、軽やかに転がり、普通に使っている分にはとてもスムーズ。前面にLEDが点灯するのもクール。

障害物のない状態でまっすぐ掃除機をかけるのは非常に楽。ただ障害物があって、ちょっと浮かしたりなどの余計な動きをするとズシッとした重さが来る。手首がおかしくなりそうなくらい重い。スムーズに走っている時と、そうした瞬間の落差がすごいので注意が必要だ。
肝心の吸引力はスイッチを「強」にすると充電式ではかなりパワフルな部類に入る。紙の欠片もスルッと吸い込む頼れるパワー。ただこの「強」状態だと、電池は15分程度しか持たなかった。まあそれでも10分で終わらせろ、という状態からは確実に進歩しているのだけれど。

重さについてもまた、細かいところは本体中央のボタンを押して、ハンディユニットで……ということなのだろう。こちらは実に軽快。女子でも問題ない1kgちょいの重さ。ただ充電に関しては同じバッテリーを使用しているわけで、その分を事前に計算して残量をキープしておかなければならない。

ハンディユニット時に使えるノズルは豊富で、隙間ノズルなどは当然かも知れないが、布団ノズルがあるのが面白い。ただこれ、幅が狭いので少々実用性に乏しい。またパーツ自体の装着が単なるはめ込み式でメカニカルではないので、耐久性に不安が残る。


■細かな使い心地が、案外よく考えられている
ちなみに「エルゴラピード」シリーズはメンテナンス性が良いのが特色の一つ。中でも全メーカーの掃除機に必須機能としてもらいたいのがブラシクリーン機能。ヘッド内のブラシに髪の毛が絡まり、取るのに非常に苦労した経験が誰にもあると思う。しかしヘッド右側にある「PRESS」表示の部分を踏みながらスイッチを入れると、内部にある刃で絡まった髪の毛をカットしてくれるのである。一旦味わうと戻れなくなるくらいの便利な機能。さらにヘッド内部のブラシ自体も簡単に取り外せて水洗いできるのも素晴らしい。

さらにダストカップも二重構造になっているのだが、両方共簡単に取り外せて水洗いできるのもいい。掃除機自体は掃除できない掃除機が多い中で、このメンテナンス性の良さは感動的だ。

基本的にこの『エルゴラピード・リチウム ZB3114AK』は、収納スペースに余裕のないワンルームの一人暮らしなどに打ってつけだと思った。それなりにインテリアにこだわっている人間にとって、家庭的デザインの掃除機は視界に入れたくないはず。
その点これなら普段から部屋の片隅にかっこ良く自立させておくことが出来るので、インテリア的にも優秀だ。駆動時間の問題もあるので、あまり大きなスペースには適さないが、子供部屋などのためのサブ掃除機として使うならアリだろう。

デザイン、性能、価格の総合評価をすれば、決してこの価格は無闇に高いとは言えないはず。そう、部屋でも人間でもオシャレにはお金がかかるのである。
エレクトロラックス サイクロン式スティック＆ハンディクリーナー（ローズゴールド）【掃除機】Electrolux　Ergorapido Lithium (エルゴラピード・リチウム) ZB3114AK
【スペック】
型番　ZB3114AK
サイズ　本体・高さ107cm×幅26.3cm×奥行15cm
重量　2.6kg　※ハンディ時1.2kg
カラー　ローズゴールド
集塵方式　サイクロン式
最大容量　0.5l
充電・運転時間　4時間充電で通常モード35分の運転が可能
付属　フィルターセット、ACアダプタ＆充電ステーションセット、隙間ノズル、ブラシノズル、布団ノズル、ホース、布用ノズル、ロング隙間ノズル