凄惨マッチの世IV虎が電撃引退、繰り返されるプロレス団体の「トカゲの尻尾切り」 (2/4ページ)
本人はAVデビューを覚悟した理由について、怪我をして以降JDにも新間事務所にも約束したような待遇をして貰えず、何度も裏切られ、身体を治す金すら無くなってしまったからだと証言している。私も同席したAVメーカーでの打ち合わせでは、彼女は「そもそもVシネマなどで濡れ場の経験はあるので、脱ぐ仕事に抵抗はない。それよりも身体を治して最低限の生活ができるだけのお金を稼ぎたい」と言っていた。
AVデビューした事で、レスラー仲間、プロレス専門誌、プロレスファンなど、言ってみればプロレス業界全体から散々に叩かれた、いや集団リンチを喰らったと言ってもいい東城だが、誰が悪いか犯人探しをするなら、都合の良い時だけ彼女を食い物にし、怪我をしてポンコツになった途端に治療費の面倒もみずにお払い箱にした、プロレス団体及び業界人達であろう。彼女が苦しんでいた時に、救いの手を差し伸べてやれなかった全てのプロレス業界関係者のせいで、東城は裸を売り物にするくらいしか人生の選択肢が無くなったのだ。あの時に東城と共に悪者にされたAVメーカーなど、正規の手順で契約書を交わし、当時のどん底のプロレス業界では到底捻出できないような予算を組んでプロジェクトを遂行したのだから、プロレス関係者達は爪の垢を煎じて飲んでおくべきだったろう。
ついでに、表では右へ倣えで東城やAVメーカーを悪しざまに言っておいて、裏ではAVマネーに目が眩んで「自分も金が欲しい」と売り込みをかけて来たプロレス関係者が何人もいた事も書いておく。そんな輩と比べたら、誰も味方がいない状況で自分の身ひとつで何とかしようと腹をくくった東城の方が、よっぽど尊敬できるし、何より "清潔" である。
さて、東城のAV騒動の際には、プロレス団体・業界・ファンは、東城とAVメーカーに罪を負わせて被害者面をしてお終いにしてしまった。本来ならば、彼女のように追い詰められる人間を減らすために、選手の身体のケアは団体が責任を持とうとか、選手の安全を守るためにも何か協会のようなシステムが必要ではないかとか、何かしら騒動をキッカケとした前向きな議論があっても良かったはずである。しかし、当時はそうした動きはついぞ見られなかった。