暴力団排除条例で足を洗った元ヤクザの嘆き「このまま落ちていくだけだよ」 (2/2ページ)
くだらない事件で懲役ばかり行ってたから、下の人間には抜かされたし、後輩連中も立ててはくれてたけど、心の中ではバカにしていたとは思うよ」
B「俺は一度、組を出したんだよ、若い衆とか舎弟も数人いてね。だけど無理があったんだろうな。器量もなかったし、2年くらいで兄弟分の事務所に吸収されたよ」
――バブル時代は、30歳までに組長になれなければ、ヤクザとして見込みがないと言われていた。今は時代が変わっているとはいえ、Bさんはまだその目があったのでは?
B「焦ったんだろうな。回りがどんどん上に上がっていくか辞めていく。だけど俺はカタギになっても食っていける自信はなかったからね」
――平成4年に暴対法、それから数年経って各地で暴排条例が施行されたが、それによる影響は?
A「暴対法は痛かったな。ミカジメとか取ってた店が全部拒否して来たしね」
B「自分は金貸しもしてたけど、ヤクザ相手の金貸しだったから、そこまでの影響はなかった」
――ヤクザ相手に金を貸していて回収出来たのか?
B「懲役に行っている間に舎弟が力付けてほとんど回収したよ。俺の所にはその内の3割くらいしか戻らなかったけど」
――よくヤクザの親分で、いつまでも現役でいるのはヤクザ時代のツケが回ってくるからだと言う人がいるが、そんなケースを目にしたことは?
A「まさにうちの親分がそうだったな。資産何億あっても借金も何億もあった。それで結局カタギにはなれず、最後はに死んじまったけど」
B「関東はまだいいんだよ。跡目継承の時に跡目を継いだ人間が縄張りを買う金を渡したり、死ぬまで若い衆を付けてくれたりするから。だけど俺の知ってる関西の親分は悲惨だったな。昔の若い衆に「おい、おっさん」と言われて小突かれたり、金を取られたりとか」
A「関西は力が全てだからね」
――2人とも今後はどのようにして生きていくつもりなのか?
A「もうどうしようもない。このまま落ちていくだけだよ。ひとつ言いたいのは、ヤクザを辞めた人間の受け皿をしっかりと作ってほしいということ」
最後はこの様な言葉で終わった。若い頃に裏街道を歩いて来たのだから老後も裏街道で......と言うのは正直、酷な話だ。議論が分かれる話だが、足を洗ったヤクザには問題が山積みである。
Written by 西郷正興
Photo by Kai Engel