いざという時に備えて知っておきたい!がんにかかわるお金の話
近頃、がんで亡くなる有名人の訃報が続いています。昔と違ってがんは不治の病というわけではありませんが、それでも不安な要素が多いことは間違いありません。
今回はファイナンシャルプランナーで且つがん経験者の筆者が“がんにかかわるお金”についてお話致します。
■『高額療養費』は万能?
健康保険には『高額療養費』という制度があります。これは同一月に医療機関で支払った自己負担額がある一定の額を超えたらその超えた分が払い戻されるという制度です。これは大変ありがたい制度であることは間違いありません。
例えば、100万円の治療代がかかった場合、一般的な所得の方だと1ヶ月8万7,430円で済みます。しかしあくまでこれは“治療代のみ”だということです。
6月と7月にかけて治療が継続している場合はそれぞれの月で上限額まで支払わなければなりませんし、入院中の食事代などは『高額療養費』の対象ではありません。
『高額療養費』の場合、1年間に3ヶ月以上高額療養費の支給を受けた場合、4ヶ月目からは自己負担額が下がりますが、その場合でも月4万4,400円の負担が必要となります。
筆者の場合は、2010年の秋から治療を開始して2015年の2月に一応治療が終了しました。その間、治療代として支払ったのは170万円に上ります。この他に入院時の食事代、通院のための交通費などがかかっています。
がんの特徴の1つとして、“治療期間が長くなる可能性が高い”ということが挙げられます。
1年間、高額療養費の上限額を払う治療を続けた場合、上記の例で計算すると、8万7,430円×3ヶ月+4万4,400円×9ヶ月=66万1,890円となり70万円近く必要になる計算になります。
このように考えていくと、がんの場合は『高額療養費』だけでは厳しいということがおわかりいただけると思います。
■『がん保険』は必要?
がんの3大治療としては“手術”“放射線治療”“抗がん剤治療”があります。
“放射線治療”や“抗がん剤治療”は通院でも治療が可能です。このため“入院給付金”がメインの医療保険はがんにはあまり有効な保険とはいえません。
どうしてもがんに対しての不安感が強い方は医療保険よりも『がん保険』に加入する方がよいでしょう。
但し、『がん保険』に加入されるのならがんと診断された時点で“診断給付金”がもらえる『がん保険』に加入することをおススメします。
最近は“診断給付金”以外に“放射線治療給付金”や“抗がん剤治療給付金”などを特約としてつけられる『がん保険』が多くありますが、自分の治療が手術なのか放射線治療なのか抗がん剤治療になるのかはわかりません。
それぞれの治療に細かく対応するものよりも、がんと診断した時点でまとまったお金が受け取られる“診断給付金”に重きを置いた『がん保険』を選択することです。
■健康保険のチェックも忘れずに
組合健保に加入している方の場合は、ご自身の組合健保の『高額療養費』をチェックしてみましょう。
組合健保の中には『高額療養費』の自己負担額がかなり低く設定されていたりする場合もあります。このような組合健保に加入の方は『がん保険』に加入する必要性は薄くなります。被扶養者の方もこの制度を利用できないかもチェックしておいた方がよいでしょう。
いかがでしたか?
がんは肉体的に辛いのはもちろんですが、精神的にも負担は大きいものです。せめて“経済的な面”だけでも不安が取り除かれればよいなという思いで今回は自身の経験も交え執筆させていただきました。
少しでもがんのことを考えていただくきっかけになっていただければ幸いです。
(中村真里子)
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