【冴え女シリーズ(1)】[ナンパ男は前世の私の王子様?]6話(後半)「もしかして思いだしてきた?」 (2/3ページ)
毎回、誰かが走ってきて怒るんだけどね」
央美「ああ、私も家の裏にある山で毎日のように木登りしたりしてたっけ」
耀司「オレも一生懸命登ろうとするんだけど、全然ダメで。置いていかれて悲しくって悔しくって泣きだすと、しょうがないわねって降りてきてくれるんだ」
央美「だって一生のお願いだから降りてきてなんて言うから」
耀司「うん、アンタは色々小言を言いながらも優しいから、先に行っちゃっても、オレが泣くと絶対戻ってきてくれてた」
央美「あれ? 私……なに言って」
耀司「もしかして思いだしてきた?」
央美「でもこれは私が小さい時の記憶じゃ……」
耀司「そのアンタの記憶にオレはいない?」
央美(ぼんやりと脳裏に、メソメソと泣く小さな男の子がうつる)
耀司「一緒に所狭しと駆け回ったよね。一緒に勉強して、オレがうたた寝するとコラっ!って起こしてくれて」
央美(ぎゅっと私の服の裾を掴んでこちらをみつめる)
耀司「お城の中を探検中に迷ってわんわん泣いてたオレの背を、自分だって不安だったろうに、ずっと撫で続けてくれた」
央美(頼られてるって思ったら泣いてなんていられなかった)
耀司「アンタはオレの手をどこにいくにも引っ張ってくれて。お姫様なのに全然そんな感じがしなくてさ。オレはいつも、憧れの目でアンタをみてた」
央美「覚えてる。……あなたのそのキラキラした目」
央美(その目でみつめられるのに弱かった。