北朝鮮漁村「イカラッシュ」でお祭り騒ぎ

デイリーNKジャパン

北朝鮮漁村「イカラッシュ」でお祭り騒ぎ

北朝鮮の東海岸(日本海側)では、イカ漁が最盛期を迎え、北朝鮮全域からイカ漁に従事する人が押し寄せ、「ゴールドラッシュ」ならぬ「イカラッシュ」となっているとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋によると、「咸鏡道の新浦(シンポ)、利原(リウォン)、端川(タンチョン)、金策(キムチェク)などの港町には、普段の人口の倍以上の人々が押し寄せて来ている」と語る。

港周辺の住民は、イカ漁にやって来た人々に自宅の屋根裏部屋を貸しているが、それでも間に合わず、居間まで貸し出している。宿泊料も平時は、5万ウォン(約750円)だったが、25万ウォン(約3750円)と5倍に急騰した。

イカラッシュの背景には干ばつの影響もある。多くの住民が「このままでは冬を越せない」と秋からの食糧事情に不安を感じ、イカラッシュに押し寄せる。さらに、地元住民たちも先行き不安から、ここぞとばかりに儲けようと家賃を上げるわけだ。

そうした住民の不安はさておき、港周辺は朝から賑やかな様子を見せている。イカ漁に出る人、採ってきたイカを買い取る人、買い取ったイカを加工する人に加えて、1級品のイカ50匹の紹介費で宿を斡旋するブローカー。まさに「イカラッシュ」と呼ぶにふさわしい光景が繰り広げられている。

イカは、新鮮なうちに内蔵を取って乾燥すると商品価値が上がるという。作業の速さを宣伝文句に、仕事をどんどん受注する業者も現れた。加工賃は10匹あたり2匹だ。早朝の港は、イカを買い取ろうと押し寄せたアズマイ(主婦、女性たち)が押し合いへし合いして、毎日がお祭り騒ぎだという。

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