西武グループの知られざる暗部を堤義明に近い親族が暴露 (2/2ページ)
二人で歩いている時に、ビルの建設現場に出くわすと、康次郎氏はふいに「あのビルは、だれが何の目的で建てているか、いってみろ」とたずね、義明氏が答えられないと殴った。そして食事の時、義明氏が醤油を必要以上に使っただけでも「無駄なことをするな」とまた殴った。兄弟たちと遊ぶことも、友達を作ることも義明氏には許されていなかったという。こうして、ほかの兄弟とは切り離され、経営者としての哲学を叩き込まれた義明氏だが、「康弘も猶二もそんな目にあっていない。自分だけが殴られて、我慢してきたんだ」と恨み事めいたことを漏らすこともあったようだ。
この本を読めば、途中で奇妙なことに気付くはずだ。
上記のような義明氏の私的な発言がそこかしこに出てくるのだが、そのいちいちが筆者に向けて直接語られたことのように感じられるのだ。それは「取材」の距離感とは明らかに異なり、より親密な印象を受ける。
筆者の広岡氏が堤家の関係者であることは既に述べたが、どのような関係者なのか。それは、義明氏の父・康次郎氏が知られているだけで5人の妻を持ち、この他にも多くの内縁の妻や子どもがいたとされること、それら異母兄弟の間で交流があったことを考えればおおよそ想像することが可能だろう。
まさに、堤家の内側にいた広岡氏だからこそ書くことができた、西武グループの裏と闇が本書では克明に明かされる。それは、これまでの報道や関連書籍からは決してうかがうことのできない驚きを読者に与えるはずだ。
(新刊JP編集部)