論文:人はなぜ怖いゲームをプレイするのか?怖いゲームが人々に与える恐怖について(米研究) (2/3ページ)

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感情移入をしやすい個人では、恐怖感と不安感が増幅されることから、無力感を覚えたり、打ちひしがれたり、あるいは現実世界から切り離して考えることが難しかったりするのかもしれない。

男性と女性は同等に恐怖を感じている

 また、男性も女性も同程度の恐怖を同じ回数だけ感じていることがわかった。だが男性は、それを認めることが女性に比べて少ない。代わりに男性は強がってゲームを楽しんだことを強調する。

 女性の場合は、感じた恐怖について説明する傾向にあり、恐怖反応について理性的かつ冷静でいることが少ない。リンチとマーティンズは、これを典型的なジェンダー上の固定観念が原因であるようだとしている。

存在感とリアリズムが恐怖心をあおる

 予想だにしない、不気味なサプライズ的要素が恐怖体験を増幅させる。これは、プレイヤーが予測不可能な環境に没入しているときは特に当てはまる。被験者は、抑えることのできないパニック状態を、肉食獣から必死になって逃れようとする獲物のようだと表現している。

 まるでゲームの中にでもいるかのような没入感のことを、ここでは存在感という。そして、これもプレイヤーに恐怖を感じさせる要因の一つだ。観客が受動的にしか出来事を観察できない映画とは異なり、プレイヤー自身が意思決定者であることが原因であろう。ゲームでは、怪物に追われる人物を眺めるというよりは、プレイヤー自身がその人物になりきっており、その生死の鍵は自分の手の中にあるのだ。

 さらに、敵描写における緻密さやリアル感がプレイヤーの恐怖を増幅させる。例えば、ゾンビの見た目や振る舞いが本物っぽいほどに、プレイヤーが味わう恐怖感も強まる。リアルなゾンビの巧みな表現は、陰鬱な死を連想させる恐怖因子を強化する。これが、自らの破滅の運命から必死になって逃れようとするうちに、プレイヤーを不安感で一杯に満たす。

 リンチとマーティンズの発見は、ゲーム開発者が本物と見紛うばかりの世界とキャラクターを作るために投資する膨大な資金と時間を正当化するものだ。

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