論文:人はなぜ怖いゲームをプレイするのか?怖いゲームが人々に与える恐怖について(米研究) (1/3ページ)
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人はなぜショッキングで恐怖心を煽るゲームをプレイするのだろうか? 恐怖映画や怪奇小説と同じく、怖いゲームも恐怖という悦楽に浸る手段を与えてくれる。プレイヤーに迫り来る不気味なクリーチャーたちは、恐怖というスリルを求めるゲーマーたちの心を満たし、仮想世界に没頭するよう仕向ける。
今回、米インディアナ大学のテレサ・リンチとニコル・マーティンズが発表した研究では、『バイオハザード』、『レフト・フォー・デッド』、『デッドスペース』、『サイレントヒル』、『アムネジア:ザ・ダーク・ディセント』といった人気作品をプレイしたことのある269名の大学生を対象に、その恐怖反応を調査した。これは映画やテレビで体験する恐怖感を調査するときと同様の手法を用いたものだ。
これまで、サバイバル恐怖というジャンルのゲームから体験できる恐怖の程度や、個人の性質が恐怖の程度に与える影響を調査したものはなかった。この研究は、なぜ人がゲームをプレイし、それによって何をどのように感じているのかをアンケートによって調査したものだ。
調査では、被験者に対して、プレイしたことのあるゲームとその頻度、サバイバルゲームの感じ方、音声や画像、存在感から恐怖を感じた程度を質問した。その結果、半分以上の被験者がプレイ中に恐怖を体験しており、この恐怖を楽しんでいるのは40%をわずかに上回る程度であることが判明した。
感情移入しづらい人ほど恐怖ゲームを楽しんでいる
感情移入とは、人が他人の思考や感情を共有したとき、例えば、怯えたり、怒っている人を見て、自分も同じ感情を味わう現象だ。これによって、他人に共感や同情を覚えることができる。
リンチとマーティンズは、全体としては、感情移入が低いプレイヤーは、高いプレイヤーよりも恐怖ゲームをプレイすることが多く、かつ楽しんでいることを発見した。恐怖感など、他人の負の感情を自分のことのように感じる人は、恐怖ゲームが与える負の感情を避けようとする。