全世界で話題「Uber」の行く先は?インドネシアから見た近未来 (2/3ページ)
さらにインドネシア人は、タクシーを人の移動以外のことに用いたりすることが多い。それはすなわち、物資の輸送だ。バイクタクシーのライダーに買い物を依頼するということもよくある。そういう臨機応変さが、この国の市民には備わっている。
ウーバーはそれを狙い、ジャカルタで料理の配達サービスを開始した。ウーバーのスマホアプリを使って、同社が提携する飲食店の料理を注文するというものだ。このサービスはラマダンが終わると同時に始められた。断食明けの時に、こうした種のデリバリーが頻繁に利用されるからだ。
だがそこへ、地元の陸運業者が立ちはだかった。
■ ウーバー包囲網
インドネシアの陸運組合オルガンダは、ウーバーに対し怒りを隠さなかった。
オルガンダのジャカルタ支局長シャフルアン・シヌンガン氏は、マスコミの前でこう言い放った。
「ウーバーは我が国発行の陸運営業許可を取っていない!」
これはまさに、ジャカルタにある38のタクシー企業の総意だった。特に近年は外国からの投資と外国人観光客の増加により、インドネシアのタクシー事業は右肩上がりだ。その利益がウーバーに持って行かれてしまうという危機感が、シヌンガン氏の態度にはっきり出ていた。
そこへさらに、ジャカルタ特別州も加勢する。州知事のバスキ・プルナマ氏はウーバーのインドネシア法人が存在しないことを取り上げ、
「あいつらは税金泥棒だ!」
と、断言した。歯に衣着せぬ性格で、時折問題になるようなことも口にしてしまうプルナマ氏だが、この時はインドネシア中のタクシードライバーから拍手を浴びた。
実はプルナマ氏は、タクシーを始めとした陸運業界のサービス改革に熱心な地方首長である。ウーバーのサービスの根幹であるモバイル機器を使ったタクシー手配に、プルナマ氏は以前から興味を示していた。だが、ウーバーがインドネシアでの各種手続きを踏んでいないことは別問題だとしたのだ。
■ 和合の道
これらは逆に考えれば、現地当局がウーバーにチャンスを与えたとも言える。