失敗作や使い終わった作品は「堆肥になる」3Dプリンターのフィラメント
3Dプリンターが様々な材質で出力するようになり話題になっている。樹脂だけでなく、金属や繊維、セメントや食材まで出力の対象になってきている。
しかし、出力してから失敗だったと分かった作品や、すぐに不要になった作品はどうなっているのだろうか?
そこに目を付けた3Dプリンター用フィラメントが開発され、クラウドファンディングの『Kickstarter』で資金調達のプロジェクトが開始された。
そのフィラメント『WillowFlex』は、なんと、腐るというのだ。

Resilient 3D Printer Filament by BioInspiration
■ 土に還るフィラメント
『WillowFlex』は弾力性を持った作品を出力できる3Dプリンター用フィラメントだ。そして、条件が揃えば堆肥にも成るということが革新的だ。
『WillowFlex』は非GMOコーン澱粉をベースにしたバイオプラスチックというものらしい。しかも米国のASTM D6400とEUのEN 13432という規格に合格した堆肥原料から作られている。
そのため、3Dプリンターで出力する際は、あのプラスチックが溶ける独特の臭いではなく、パンを焼くときやビールを醸造するときのような香りがするという。そして、もし『WillowFlex』で出力された製品を森の中で無くしてしまったとしても、それは大地に有害な物質として残らずに、土に還ってしまうのだ。

Resilient 3D Printer Filament by BioInspiration
という話になると、『WillowFlex』で作られた製品はひ弱そうに思えるが、なかなかに丈夫だ。

Resilient 3D Printer Filament by BioInspiration
例えば100℃以上の熱でも変形しないので、カップにしてお茶を注いでも大丈夫だ。
また、柔軟性と弾力性が有りながらも丈夫なので、サンダルや靴の底の素材としてしても十分に使える。
さらに冷やしても大丈夫なので、アイスキューブを作るための容器として冷凍庫に入れて繰り返し氷を作ったりしても、形や柔軟さを失うことが無い。
■ 増え続ける3Dプリンターの素材
『WillowFlex』は丈夫なだけで無く、色も既に5色が用意されており、今後要望に合わせてバリエーションが増えていく予定なので、様々な用途やデザインに合わせた色を楽しめるだろう。
また、堆肥に変化することができるが、それには水分や微生物、酸素と熱といった一定の条件が揃わなければならないので、通常は安定した素材として利用できる。ただ、これらの条件については、さらに調査が続けられているようだ。
失敗した作品や不要になった作品は土に還る。今までに無い新しい3Dプリンターのフィラメントの考え方が登場した。
【参考・画像】
※ Flexible, Compostable*, Resilient 3D Printer Filament by BioInspiration – Kickstarter
※ Flexible, Compostable*, Resilient 3D Printer Filament – YouTube
※ Sergey Nivens / PIXTA(ピクスタ)