アイドルにもAVにも挫折した私:瀬名あゆむ連載3

瀬名あゆむのAV vs アイドル
~もし元AV女優がローカルアイドルのプロデューサーになったら
皆様こんにちわ! 仙台&千葉のローカルアイドル『2ねん8くみ』プロデューサーの瀬名あゆむです。(「2ねん8くみってなに?」って思われた方はよかったらyoutubeやtwitterで検索してみてください! 動画や情報がいろいろあります!)
さて! 前回の続きです!
なぜ私はAVデビューしてから「なんか思ってたのとちょっと違う」ってなってしまったのか? なぜ4本出演しただけで一度AVを引退してしまったのか? それはなにより、女優契約した一番最初に所属したAV事務所さんから最初に言われた言葉にありました。
じゃあその言葉はいったい何だったでしょう?
(1)整形しようか (2)恋人と別れて (3)痩せなさい
答えは、ずばり(3)なんです。そのときは彼氏いなかったし、整形手術の話も全然出ませんでした。私が整形をしたがってたら相談にのってくれたのかもしれないけど興味なかったので。ただはっきりと「単体女優デビューしたければ1カ月で5キロ痩せなさい」と言われました。
それで頑張ってダイエットして無事にデビューさせてもらったんですけど、実はそのとき思ったのは、「なんかアイドル時代みたい」「なんかヤだな」だったりしました。
私が北海道の芸能スクールのローカルアイドルをやってたのは10代の3年間でした。歌やダンスのレッスンはとても厳しくて。さらに生活も含めて厳しく管理されました。髪形は指定の美容室で絶対に黒髪ロング。服装も決められました。けれど自分的に一番辛かったのが体重管理。みんなの前で体重計に毎日乗せられ、ちょっとでも増えるときつく叱られました。体重維持のために、毎日毎晩、登校前の早朝とレッスン後の深夜に必死で近所の公園を走りました。でもそれだけじゃ不安で、成長期だったのに無茶な食事制限もしました。その結果、ローカルアイドルだった3年間、ずっと生理が止まったままでした。本当にその頃は「生理なんかどうでもいい!」って感覚でした。健康的にダイエットできなかった自分が悪いだけなんですけれども……。
だから「体重落して」って言われた時、「AV女優ってそんな管理されなきゃならないの?」と反射的に思ってしまったんです。なんか心の奥にしまってたつもりのローカルアイドル時代の辛い記憶がよみがえって、「AVってもっと自由にやれるもんじゃないの?」なんて心の中で反発してしまったんです。実際、単体AV女優さんって結構いろいろ大変なんです。事務所やマネージャーさんにもばっちり管理されます。でもそれは当然で、AV作品1本の製作費は宣伝費も含めると数百万から1千万円を越える場合もあり、その中心に女優さんがいるわけで、だから責任はとても重いです。ただ、その時の私はそれがわかってなかった。正直、AV現場が楽しくなくて、不満だけがふくらんでった。「なんでAVなのにこんな感じなの? アイドル目指してたから昔は頑張れたけど、今はそこまで頑張れないよ…」「楽しくないのに、自分に無理してまでAVなんかやりたくない……」とか思っちゃってたんです。
そして4本出演した時点で私はAVを辞めてしまいました。
特別な複数本契約でもなかったので事務所からの強い引き止めもなかったです。やる気のない女優を無理やり縛りつけても無駄だって判断されたんだと思います。
AVを辞めてからは、仙台でアルバイト生活を始めました。
ただ、しばらくして、こう考えるようになったんです。
「結局、私はアイドルにもAVにも挫折したままだ」って。
10代の3年間、私はアイドル目指してがむしゃらに頑張りました。
けれど夢が叶う寸前で、ほんとにあと少しで、挫折してしまいました。
もしかしたらそれからの私はその挫折を忘れたくて、「いくら頑張っても無理なことは無理なんだ」って人になっちゃってたのかもしれない。
だから、「アイドル目指してた過去なんか全然関係ないよ」ってAV始めたくせに、「頑張ってまでAV続けたくないな」なんてあっさり辞めちゃったのかもしれない。そう、現実にあっさり辞めちゃってた。
でもそれって、アイドルの挫折を忘れられるどころか逆に引きずって、その過去に縛られてるのと同じだ。アイドルに挫折したことを言い訳にして、頑張ることから逃げてるのと同じだ。このままだったら私は、何に対しても頑張れない人間になってしまう……。
考えたあげく、私は半年後、同じ事務所さんからもう一度AV女優として再デビュ―させて貰うことにしました。単体女優ではなくランク的には下の「企画単体女優」としての再契約になり、出演料も下がり、内容もハードになりました。けど全然大丈夫でした。
「今度こそ思いっきり正面からAVを頑張るんだ!」
そう決心して挑んだら、AV女優という仕事がどんどん楽しくなったんです。前は現場でもずっとピリピリして作り笑顔しかできなかったのが、心から笑えるようになりました。そうすると出演オファーもいっぱい貰えるようになり、4本で辞めちゃったダメ女優だった私が、最終的には500本以上も出演させて貰えるまでになれました。
アイドルがAVデビューする理由。
その答えを、今の私は、はっきりと言えます。
それは「もう一度頑張りたいから!」です。
少なくとも、私、瀬名あゆむはそうでした。
(アイドルとAVデビュー、あともう1回続けます)
【次週予告】
次回は「アイドルがAVデビューする理由」ファイナル。
私だけじゃないアイドルからAVに出たコたちの話を書いてみます。
【瀬名あゆむ:プロフィール】
仙台&千葉のローカルアイドル『2ねん8くみ』プロデューサー。10代の頃に北海道のローカルアイドルとして活動し、メジャーデビュー寸前で挫折。その後、地方局TVレギュラー出演等を経てAV女優となり500本以上に出演した。1985年生まれ・さそり座・A型。
★2ねん8くみ仙台店 http://www.2-8cafe.com/
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