”反日”を続ける彼らの本気度は? 韓国の「刑務所歴史館」に潜入

デイリーニュースオンライン

ソウルにある「西大門刑務所歴史館」(撮影/村田らむ)
ソウルにある「西大門刑務所歴史館」(撮影/村田らむ)

 2015年11月23日、靖国神社のトイレで爆発音がした。現場にはデジタルタイマー、基盤、電池などが見つかった。犯人と目される、チョン・チャンハン(全昶漢)容疑者(27)は、日本に再来日して、建造物侵入容疑で逮捕された。再来日した際には、火薬や、タイマーなど、時限爆弾の材料だと思われる物を持っていたという。警視庁は火薬類取締法違反容疑などの適用も視野に捜査を進めている。

 公共施設に爆弾を仕掛ける行為は、あからさまなテロ行為だ。今回は死傷者が出なかったが、それはたまたまである。ISIS(イスラム国)が行っている、残虐な殺人行為となんら変わらない。

韓国人の日本に対する強い恨み

 テロ行為に対する刑罰は優しくはない。今回捕まった容疑者も、罪が確定してしまえば、そう簡単にシャバには戻れないだろう。いつか、出られたとしても、不自由な生活が待っているはずだ。それほどのリスクを冒してまで、テロ行為をするというのは、心中にとても強い憎しみがあるに違いない。

 靖国神社は、幕末以降、戦争などの国事に殉じた軍人たちを英霊として祀った神社である。そのため攻撃対象になりやすく、これまでも落書き、小便をかける、放火など、嫌がらせをされたことがあった。

 第二次世界大戦が終わって70年が経った。それだけの時間が経ちながら、なぜ彼らは、強い“恨み”を持ち続けられるのか。

 韓国に詳しい人に話を伺うと、

「理由のその1つには、韓国には“恨み製造工場”的な施設がたくさんあるからだ」

 との答えが帰ってきた。反日感情を高めるための施設だという。実際に足を運んでみた。

 西大門(ソデムン)刑務所歴史館は、韓国の首都、ソウルにある施設である。元々は、大日本帝国が建てた韓国初の近代刑務所であり、戦後、韓国が独立した後も、刑務所として利用されたが、1987年に移転し、役目を終えた。建物は史跡として指定され、1998年からは、「西大門刑務所歴史館」として一般公開されている。

 僕が足を運んだのは、真冬の平日の昼間だったのだが、多くの人が見学にいて少々驚いた。もちろんディズニーランドのような混雑ではないが、次々に人が入ってくる。家族連れ、恋人同士などレジャーやデートで来ている人も多かった。わざわざ、デートでこんな辛気臭い場所を選ぶ気持ちはちょっと分からない。僕が見たところ、日本人は僕以外にいなかったが、睨まれたりはしなかった。

 建物は100年以上前の建物とは思えないほど立派に健在していた。赤いレンガの建物がずらりと並び壮観だ。韓国には、日帝時代に建てられた建物がたくさん残っている。地震が少ないからなのか、空襲で焼けなかったからか、古い日本の建造物は、日本よりもたくさん残っているような気がする。中には「日本に恨みを持ち続けるため」というネガティブな理由なために、保存されている建物もあるという。

 展示物は、蝋人形館の拷問コーナーのような悪趣味な物も多かった。逆さに吊るして、ヤカンで水責めをしていたり、トイレ用の木の樽しかない部屋の中に女性を監禁していたり……。

 過去には、老婆の生爪を剥がしたりする展示物もあったらしいが、事実ではなかったため撤去したらしい。捏造した過去を立体で作って展示するって、結構な大問題だと思う。

人形は撤去されたが、セットはそのままだ

 拷問道具もたくさん展示してあった。実際に体験できるコーナーもあり、子どもたちが被ったり、嵌めたりして、キャッキャと遊んでいて、なんだか嫌な気持ちになった。

拷問道具を嬉々として被る韓国人が多かった

 監獄に入っていた人たちの写真が、一面に何千枚も張り巡らされた部屋もあった。写真には、生年月日、名前、番号が書かれている。それとは別に死刑部屋があり、死刑にされた人たちの写真が黒い木の枠に入れられ展示してあった。天井からは首吊りのロープがかけられていて、とても暗いムードが漂っている。

 監獄もほとんど当時のまま残っていた。監獄の中には陰鬱な顔で収監された囚人がおり、鬼のような顔で怒鳴る日本人の看守の人形が立っている。

 全体を通して、日本に対する恨みで満ち満ちた博物館だった。僕は、日本人として、怒りや、悲しみよりも恐怖を感じた。不特定多数の人に恨まれているというのはとても怖い。実際に、ここの展示物を見て怒りを感じ、韓国の日本大使館に火炎瓶を投げ込んだ、韓国系の中国人もいたという。

 このような反日施設は、独立記念館など複数ある。街中には慰安婦像も建っている。今回の靖国神社爆破事件の犯人も、教育によって日本を恨んでいたにちがいない。

 2013年、朴大統領は「日本を1000年恨む」と発言したが、結構本気かもしれないと思った。日本人はあと998年、恨まれ続ける覚悟をするべきなのかもしれない。

村田らむ(むらたらむ)
ライター・イラストレーター・漫画家。ホームレス、新興宗教、犯罪などをテーマにした体験、潜入取材を得意とする。近著に『禁断の現場に行ってきた!!』(鹿砦社)
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