北朝鮮が女子高生を「見せしめ」公開裁判にかけた理由 (2/2ページ)

デイリーNKジャパン

しかし、いくら何でも、高校生を見せしめにするという当局のやり方に、住民からは怒りの声が上がっている。

情報筋は、「幼い子供を見せしめに処罰してビビらせる魂胆だ」と語る。また、公開裁判を見守った住民の間からも「処罰を受けるなら、幹部が先ではないのか」「裁判の書類にサインした人も、一度くらいは外国映画を見ているだろう」など、当局への不満を口にする。

実際、脱北者のヒョン・ミヨンさんは次のように語った。

「北朝鮮にいた2014年、韓流映画を見たことが発覚して逮捕され、教化所(刑務所)送りになりました。でも、取調官から『あんたのおかげで(韓流映画の)新作が見られるよ』と言われましたよ。保安員(警察官)も幹部も、没収した韓流のCDの奪い合いをしていました」

北朝鮮当局は、度々韓流を含めた外国のドラマ、映画に対する取り締まりを強化しているが、完全遮断は不可能に近い。遮断に成功したとしても、一度変わってしまった人々の考えや文化、習慣は元には戻らない。

どんな形であれ、海外から流れてくる文化を通じ、北朝鮮住民の意識はこれからも変化・発展し続けるだろう。

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