悩んだ30代があって、自分がある。女優・小山田サユリを変えた「魔法の言葉」 (2/3ページ)
今振り返れば、もっと好奇心をもって仕事以外に新しい趣味を始めてみたら変わったのかもしれないのですが、愚直に仕事に向かうあまり、どんどん暗くなっていましたね」
「楽しむ」ことを教えてくれた演劇学校
ターニングポイントは「何か変えなくては」と、34歳で応募した文化庁新進芸術家海外派遣制度。若手芸術家を海外に派遣し、実践的な研修機会を提供する国の制度に見事合格し、NYで演劇を学ぶ道を選んだことが「仕事のとらえ方が180度変わる」大きな出来事になります。
「新鮮だったのが、演劇の授業でもオーディション前でも先生や周りの仲間が『Have fun!』『Enjoy!』(楽しんで!)と口癖のように言うことでした。
授業でも常に笑いがあり、演技をする際も、どうしたら面白くなるかを貪欲に追求する。緊張するオーディションでさえ、『チャンスがあるなんてとても素敵なこと。悔いがないように全力で楽しむのよ』と前向きな言葉で送り出されます。
それまで女優という仕事に真面目に取り組もうと視野が狭くなっていた私にとって、『演技を楽しむ』『その場にいることを楽しむ』という姿勢は何よりも必要としていたことでした。
演技の技術も理論も、人脈も、大切なことをたくさん得た演劇学校生活でしたが、『楽しむことを学んだ』のは、私の人生において、本当に貴重でした。いろんなことに興味がわき、人に会うことが大好きになってよく笑うようになると、周りにもポジティブな人が集まってくるんです」
NYで作った人脈をいかして仕事をしたいと考え、NYに拠点を置くことを決めた小山田さん。2015年には婚約し、「私の人生はまだまだこれから!」と笑顔を見せます。
「今後は国内外広く評価される女優でありたいし、プロデュース業にも興味があります。