その後のローカルアイドルたち:瀬名あゆむ連載35

ブッチNEWS

その後のローカルアイドルたち:瀬名あゆむ連載35

瀬名あゆむのAV vs アイドル
~もし元AV女優がローカルアイドルのプロデューサーになったら

第35回『その後のローカルアイドルたち』

 こんにちわ! 仙台&千葉のローカルアイドル『2ねん8くみ』プロデューサーの瀬名あゆむです。
 前回、私がなぜアイドルを一度あきらめたのかを初告白させてもらいました。
 中学1年生になってすぐ芸能スクールに入り、スクール内ローカル4人組アイドル『ビリーブ』を結成し、その4人全員で大型オーディション企画に参戦しました。大手お菓子メーカーと大手レコード会社による『プロデューサーはキミだ!! 21世紀ガールズユニット結成キャンペーン』です。
 そのオーディションで選ばれれば、ユニットとして全国レコードデビューできるというオーディションでした。
ただそのデビューできるユニットは「3人組」だったんです。
 そしてその3人に私以外の『ビリーブ』の3人が選ばれたわけです。

15歳の悔しさが蘇ってきました

 それで、ちょっと本音を話していいですか?
 前回、このことを思いだしながら書いていて、私にどんな感情が甦ってきたのかを。
 それは「あれは良い経験だったな。今では良い思い出だよ」とかでは全然なかったのです。
 正直、自分でも意外なくらいにこんな感情が湧き上がってきました。
 それはこんな感情です。超本音でぶっちゃけますね。
「悔しい! 悔しい! 今でも悔しい! やっぱりオーディションに受かりたかった! 全国メジャーデビューしたかった! アイドルになりたかったよおおおおお!!!!!!!」

 あはは。あの、笑いたい方は思いっきり笑ってやってください。
でも本当にね、本当に自分でも思いがけないくらい「悔しい! 悔しかった!!」って感情が湧いてきたんです。
 十数年前の少女時代の記憶なのにまるで昨日のことにみたいに悔しさを感じたんです。
 なぜなんでしょうか?
 それはやっぱり15歳だった私が本気で本心からアイドルを目指していたからだと思います。
 そしてその悔しさがあったから、やっぱり私は今、アイドルカフェを運営し、アイドルプロデューサーをしているのだと改めて思いました。

その後の『ビリーブ』たち

 私だけが選ばれず、私以外の3人で新たに結成された3人組ユニットは見事に全国メジャーレコードデビューを果しました。
 私自身は……スクールをやめてしまいました。
 自分ひとりだけ取り残された気がしてたまらなくて、スクールに残ってまた最初から頑張ろうという気にどうしてもなれなかったのです。
 なんか完全に絵に描いたような「挫折した!」っていうやつでした。
 「夢が破れたあ!」ってやつでしたね。

 青春のすべてをかけたアイドル活動でした。
 だから悔いがないといえば絶対嘘になります。
 当時、女子高生になったばかりの私は、周囲の人たちには「アイドルやめてさっぱりした! 自由になれたよ!」と言っていました。
 「これからは彼氏も作れるし!」とかね。
 でもそれはやはり半分以上強がりだったと思います。そう思わなければ破れた夢の後遺症が大きすぎて、前に歩けなかったのです。

 だけど夢をかなえた私以外の3人の『ビリーブ』メンバーたちもまた、次なる新たな夢の前の壁の前で苦闘していました。
 結成したアイドルユニットの全国デビュー曲が売れなかったのです。
 結局、その1曲だけでユニットは解散してしまいました。
 そのときの私の気持ち……ん~どうなんだろう、別にいい子ちゃんぶるわけでは全然ないけど「ざまあみろ!」みたいな感情は一切なかったです。全く逆で、売れて人気アイドルになってほしかった。ただもし本当にそうなってたら、やっぱり嫉妬しちゃってたかもしれませんけれど……。人間の感情ほど複雑でわからないものはないですから。

 その後、私が所属していた芸能スクールの事務所からは、その3人組ユニットのあとにデビューした4人組ガールズバンドが大ブレイクします。大ヒットを飛ばして、NHK紅白歌合戦に3回も出場しました。実は『ビリーブ』メンバーのひとりは、そのガールズバンドのインディーズ時代のメンバーだったんです。
 でも彼女は私と一緒にローカルアイドルになって、その後、全国デビューして、でも1曲で解散してしまった。
 だけどさらにその後、彼女はそのガールズバンドに再加入して、武道館のステージにも立っています。

 振りかえれば結果として、ローカルアイドルだった私たち『ビリーブ』のうち、3人は全国デビューを果し、さらに1人は武道館にも立っている。ある意味、充分な成果をあげたといえるのかもしれません。
 だけど実は「アイドルの夢」を適えていないのは私だけ。
 だけどいまでもアイドルの夢を追っかけているも私だけなのです。

 そう、実は今でも『ビリーブ』の3人とは友達なのです。
 住む場所がそれぞれ違うから頻繁にあったりはできないけれど、赤ちゃんの写真をメールで見せあったりしてつながっています。
 いつの日か、『2ねん8くみ』が全国ツアーできるくらいのグループになったら、ぜひ彼女たちの街を訪れて、彼女たちを招待したい。
 それが今の私の夢のひとつでもあるのです。

(次回につづく)

【お知らせ】テレビ埼玉(テレ玉)にて4月5日よりスタートする新番組『オサレガール』(毎週火曜26:00~)に『2ねん8くみ』仙台店から「永瀬蒼空」、千葉店から「陽向あいみ」の出演が決定いたしました。
「推される女性」、通称「オサレガール」となるためにアイドルやタレントの女の子たちが様々な企画に挑戦する番組。MCは『どぶろっく』さん! 皆様ぜひご覧ください! ※時間が変更になりました。

【2ねん8くみ仙台店選抜ステージYoutube動画】
★瀬名あゆむ復帰ステージ『Girls-natioN×LIVE‐ATTACK!!』動画

(ラストの1曲『クラスメイト』に参加しています)
https://www.youtube.com/watch?v=sbaTOEhl-Rg

★2ねん8くみ仙台店 HP http://www.2-8cafe.com/
 ( ツイッター https://twitter.com/idolcafe2_8/ )

★2ねん8くみ千葉店 HP http://2nen8kumi-chiba.com/
( ツイッター https://twitter.com/chiba_nippachi/ )

【瀬名あゆむ:プロフィール】
仙台&千葉のローカルアイドル『2ねん8くみ』プロデューサー。10代の頃に北海道のローカルアイドルとして活動し、メジャーデビュー寸前で挫折。その後、地方局TVレギュラー出演等をへてAV女優となり500本以上に出演した。1985年生まれ・さそり座・A型。

連載バックナンバー(最新10件)
http://bit.ly/1NkYsaX

※リンクの飛ばないサイトでごらんの方は、URLをアドレスバーにコピペしてください。

「その後のローカルアイドルたち:瀬名あゆむ連載35」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る