管理職は残業代が出ないってホント?! 役職手当と残業代の関係とは

フレッシャーズ

「管理職だから残業が出ない」、「課長に昇進したけど、管理職になって残業代がつかなくなくなったので実際には給料が下がった」、そんな話をよく耳にします。でも、管理職だからといって、必ずしも残業代が出なくなるわけではありません。同じ管理職でも、「残業代を支払われるべき管理職」と、「その必要のない管理職」とがあるのです。どういうことなのでしょうか? これから説明していきます。

■管理職は残業代が出ないの?

残業代について考える上では、同じ管理職でも、「残業代を支払われるべき管理職」と、「その必要のない管理職」との2種類があります。残業代を払う必要のない管理職とみなされるには、経営者と同等である、あるいはそれに準じる立場であること、その地位にふさわしい待遇を受けているかどうかなどが必要条件と考えられています。ちなみに「管理職としてふさわしい待遇」とは、一般的に、年収で700万円~800万円程度をもらっているようなケースです。一般社員とそれほど変わらない待遇であれば、課長、部長などの役職がついても、「残業代を払う必要のない管理職」とはみなされません。ただ、実態としては、役職が付く=管理職、役職手当てがつくが、かわりに残業代はなし、という会社は少なくないようです。

■「名ばかり管理職」って?

「名ばかり管理職」という言葉もよく聞きますよね。労働基準法に、「管理監督者に対しては残業代を支払う必要がない」という法律は確かにあります。
しかし、これを拡大解釈して、実質的には労働者である規模の小さい店舗の店長などに長時間残業をさせた上、残業代を払わないケースがあり、裁判にもなりました。そのような処遇をしていた企業に対して、残業代を払わないことは不当であるという判決が裁判所でも出されています。

裁判所の判決は、自分で労働時間を決定する裁量と権限を持っていないのに、残業代が支払われないのはおかしい、というものです。
このように「実質的には労働者なのに、役職だけを与えて残業代が支払われない」状態が「名ばかり管理職」と呼ばれて問題になっています。

■労働基準監督署に申し入れると指導の対象に

この状態がなぜまかり通っているのか疑問に思われるかもしれませんね。中小企業などを中心として、労働基準法に対する認識が甘い企業はまだ多く、労働基準法であるべき状態と、実態とが異なるケースは往々にして存在しています。このような状態を改善するための窓口となっているのが、「労働基準監督署」です。上記のような「名ばかり管理職」の状態が横行している場合には、所轄の労働基準監督署に申告すると、労働基準監督署から調査が入ります。そして問題があれば適宜是正をするよう勧告する、「行政指導」の対象となります。

管理職といっても、自分で時間を自由に管理できず、実質的には労働者と変わりない待遇であれば、残業代の支払いの対象になります。これからビジネスマンとなる新卒社会人のみなさんにはまだぴんとこない話かもしれませんが、将来のために頭の隅に入れておくといいですね。

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