早くも更生に疑問符?清原、暴力団から「1500万円借金」報道の背景
覚せい剤取締法違反で懲役2年6月、執行猶予4年の判決を受けた元プロ野球選手の清原和博被告(48)。今後は薬物依存症を克服するためのリハビリや持病である糖尿病の治療のため、東京を離れて長期療養生活に入るという。だが、執行猶予になったことで更生に疑問の声が続出。さらに更生の最大のネックである「暴力団との関係」が再び不安視されている。
■暴力団から借金でも関係を断ち切れるのか?
清原被告は公判中に涙ながらに何度も反省の弁を繰り返し、指摘されていた暴力団との関係についても「携帯電話を変えて人間関係を見直す」と発言。暴力団と縁を切ることで薬物の誘惑を断ち切ると宣言した。
だが、これを疑問視する情報が浮上している。発売中の写真誌『FLASH』(光文社)が、清原被告が六代目山口組の主流派組織「弘道会」(本部・名古屋)の関係者から1500万円の借金をしていたと報じたのだ。
同誌では、清原被告の薬物仲間だったという元タニマチの会社社長が証言。昨年1月ごろ、清原被告は薬物報道によって仕事が激減し、離婚も重なって経済的に行き詰っていた。金策に困り果てた清原被告は、当時所有していた高級車を担保に弘道会関係者から1500万円を借りたという。
しかし、今度は弘道会関係者から借金返済を迫られたため、会社社長に貸していた500万円を早く返してほしいと懇願。同誌には「今日には名古屋に金額を報告しなければいけない」などと生々しいやり取りのメールが「証拠」として掲載されている。また、清原被告はメールの中で覚せい剤のことを「シャンパン」と呼ぶなど本職さながらに隠語を駆使し、弘道会の会長を「親分」と慕っていたことも判明した。
「逮捕前、清原被告は夜の街で『俺のケツ持ちは名古屋だぞ』と吹聴し、これみよがしに弘道会のストラップを携帯電話につけていた。高額の借金までするほどズブズブの関係であれば、すぐに縁を断ち切るのは難しい。しかも、清原被告は公判で密売人から覚せい剤を買ったことは認めつつ『暴力団関係者とは認識してなかった』と発言。それ以外の入手先についても『密売人から紹介された人』として暴力団には言及せず。これでは暴力団に配慮していると思われても仕方ない」(週刊誌記者)
薬物犯罪者が入手ルートをはぐらかす理由は二つある。暴力団からの報復を恐れている場合と、再び薬物を買うために裏社会との関係を維持しようとするケースだ。もし後者なら再犯は確実となるだろう。
■業界から総スカンで危惧される暴力団の誘惑
経済的な問題も更生を難しくさせる。
逮捕前の清原被告はテレビやイベントへの出演で生活費や遊興費を稼いでいたが、テレビ朝日は5月末の定例会見で「執行猶予判決を受けた人には、刑期が終わるまで原則として出演依頼をしない」と明言。少なくとも2年6カ月の間はテレビ起用はないとし、他局でも同じような扱いになるとみられている。
「さすがに有罪判決を受けた人間をすぐにテレビに起用するのは難しい。薬物の問題だけなく、暴力団と交際していた人物という部分でもリスクが大きいですからね。テレビ局が清原被告を避ければ、イベント出演も声が掛からなくなるでしょう。しかし、暴力団の息が掛かった飲食店や怪しげなビジネスの広告塔といった仕事ならすぐにでも可能。もし目先のお金欲しさに手を出してしまえば、それに付随して覚せい剤の誘惑も迫ってくる」(前同)
暴力団から借金するほど困窮していた清原被告が、2年半もテレビやイベントの仕事がないまま過ごせば確実に生活は荒れるだろう。そんな時に暴力団組織からの誘いがあったら断れるのかどうか。
単に薬物依存からの脱却だけでなく、更生には経済的な問題も大きくのしかかってきそうだ。
- 文・佐藤勇馬
- ※個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、ネットや携帯電話の問題を中心に芸能、事件、サブカル、マンガ、プロレス、カルト宗教など幅広い分野で記事を執筆中。著書に「ケータイ廃人」(データハウス)「新潟あるある」(TOブックス)など多数。