七夕祭のデモ活動は宗教否定?中国人が見た”日本共産党の実態”

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七夕に感じた日本共産党への違和感とは (C)孫向文/大洋図書
七夕に感じた日本共産党への違和感とは (C)孫向文/大洋図書

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。2016年6月26日、日本共産党に所属する藤野保史衆議院議員が、自身が出演したテレビ番組上で日本の防衛予算を「人を殺すための予算」と表現しました。この発言は大きな波紋を呼び、藤野議員は相次ぐ批判を受け党の政策委員長を辞職する事態となりました。

■自衛隊廃絶が日本共産党の総意

 藤野議員の発言に対し、志位和夫委員長は「私たちも、あの発言は不適切だと考える」と返答しましたが、2015年12月には日本共産党に所属する平田通子上尾市議員が、陸上自衛隊高等工科学校を「人を殺す練習をしている学校」と見なして生徒募集掲載の中止を求め、16年3月には西東京市議会で同じく共産党所属の保谷清子議員が、自衛隊員を「戦場に行って、人を殺し殺されるという役割を担っている人たちだ」と表現しました。他にも共産党が配布した広報誌には陸上自衛隊駐屯地の撤去が掲げられるなど、自衛隊廃絶が日本共産党員の総意であることは明らかです。

 日本共産党のホームページを閲覧すると、「憲法を守ること」と「国民の命を守ること」が公約に掲げられています。しかし公約の後に記載された文章を読んでみると、自衛隊を憲法違反の存在ととらえ将来の展望として憲法9条の完全実施、すなわち自衛隊廃絶を掲げているのです。憲法とは本来国家に定められたルールにすぎず、国家や国民を繁栄させるために都合よく利用するべきものです。国民の命を守るために存在する自衛隊よりもルール遵守を重要視する方針に僕は矛盾を感じます。

 日本共産党一派の行動には疑問を感じることが多々あります。2016年7月初旬、僕が住んでいる都市の商店街では七夕祭りが開催され、家族連れやカップル、浴衣を着た子供たちのグループで賑わっていたのですが、その最中に突如30人ほどの女性高齢者のグループが殺到し、口々に「戦争法廃案」、「安倍政権退陣」などとプラカードを持って主張しはじめたのです。

 発言の全貌はうまく聞き取れなかったのですが、「〜共産党」と主張していたことから、彼女たちの所属する団体は明らかです。しかも商店街は狭い路地で、人ごみの中に強引に割り込むようなデモ隊を多くの人が迷惑がっているように見えました。僕は彼女たちの行動を見て祭りの楽しい気分が吹き飛んでしまいました。

 以前のコラムにも書いたのですが、共産党系の団体は成人式、桜の花見など祭事の最中にデモ活動を行うことが多いと感じます。もちろん多くの人が集まるため注目を集めやすいという理由もあるでしょうが、僕は彼らの思想が関係していると思います。

 もともと七夕は中国起源ですが、短冊に願い事を描く、飾りものを街中につるすといった風習は日本独自のものです。日本の知人によると七夕の時期は日本各地で祭りが開催され、彼が住む関東の都市には何十万人もの来客者が訪れるそうです。

 一方中国にも、かつては七夕の時期に家族で食事をしたり仏に願いをささげるといった風習があったのですが、共産主義下による無神論が蔓延して以降、それらの風習は廃れてしまいました。また15年末には中国のメディア全般を管轄する機関「広電総局」が、各テレビ局に「人間と神、妖怪が恋愛することをテーマにした作品」を通達したため、現在の中国では織姫と牽牛(『彦星』の中国名)の物語を作成することが禁止されています。

 七夕に限らず、日本の祭りは神事と密接に結びついている場合が大半です。中共政府と同じ思想を持つ日本共産党の一派は、「神」や「宗教」を否定するために祭りの最中でデモ活動を引き起こしているのではないでしょうか。彼らが無神論者であることは、日本の文化・宗教的統治者である天皇を否定していることからも明らかでしょう。

 僕は中国在住時、独裁的な体制をとる中国共産党に比べ「弱者救済」、「戦争反対」、「経済格差の減少」など聞こえの良いスローガンを掲げる日本共産党に対しさほど悪い印象をもっていませんでした。同じような意見を持つ中国国民も多く、「日本共産党こそ真実の共産主義政党だ」と賞賛する声もあります。

 日本の左派・リベラル層の一部もそのような思想を抱いているようですが、僕が訪日し日本の左派層の歴史を学ぶにつれ、無神論、テロ活動、内ゲバによる内乱、また日本共産党が過去に引き起こした数々の反日行為を知った結果、日本の共産主義者も中共政府と同様の思想を持っていることを確信したのです。

 16年7月現在、日本共産党は大規模暴力活動を行う可能性がある集団に適用される「破壊活動防止法」の調査対象に指定されています。つまり日本共産党の危険性は国家から公認されたものです。同党の存在は決して日本に利益をもたらさないと僕は思います。

著者プロフィール

漫画家

孫向文

中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の33歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。近著に『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)など。

(構成/亀谷哲弘)

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