北朝鮮「拉致被害者の夫」出演映画にナゾの視聴禁止令 (2/2ページ)

デイリーNKジャパン

当局は、こうしたドラマや映画を見た人々が北朝鮮の現実と重ねあわせることを恐れたのではないか」

金正日時代には、朝鮮王朝時代の民衆蜂起の指導者を描いた映画「林巨正」(リム・コクチョン)が禁止作品に指定されている。

咸鏡北道の別の情報筋によると、住民たちは、禁止の理由について知りたがっているという。「大紅湍郡責任秘書」と「ある女学生の日記」は、主演俳優が処刑された張成沢氏の側近だったということが禁止の理由という話が広がっている。

ここ数年の韓流ブームですっかり目が肥えた北朝鮮の人々は「北朝鮮の映画など見ろと言われても見ない」と言い、今回の禁止令をきっかけに、若者や幹部の間では、韓流映画や外国映画を見ようとする雰囲気が高まっている。

ちなみにチャールズ・ジェンキンス氏が出演した「名もなき英雄たち」は、1978年から1981年にかけて、20回シリーズで制作された。朝鮮戦争時に暗躍したスパイを描いたもので、思想教育的な内容も少なく、まるで外国映画みたいだと人気を博した。しかし、権力闘争に巻き込まれ、監督は地方へ追放、脚本家はスパイ容疑で逮捕され、収容所で自殺したといういわくつきの作品でもある。

「北朝鮮「拉致被害者の夫」出演映画にナゾの視聴禁止令」のページです。デイリーニュースオンラインは、高英起デイリーNK学生洗脳北朝鮮海外などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る