リコーが5年ぶりの開幕勝利。我慢が呼び込んだ3点差の死守。 (2/2ページ)

ラグビーリパブリック

嫌な展開だったが、NECのSH茂野のサイド攻撃を中村は素早く予測して、タックルに入り、ミスを誘う。さらに、終盤は自陣22メートル内で猛攻を受けたが、ゴールラインだけは死守した。

「一人ひとりの気持ちの持ちようが違ってきたのかなと。我慢して、反則せずに、次のプレーに行けるか。規律はチームが上に行くためのポイント。一人がサボれば白星が黒になることもあるので。モールに課題は残りましたが、粘り強く止め続ければトライは取られない。逆に攻める方も粘り強く継続できれば、得点は奪える」と中村。

 結果的に決勝点になったのは後半30分のドロップゴール。敵陣で連続攻撃を繰り返し、NECも懸命に止め続けたが、それを見たSOコリン・ボークは中央付近までボールを運ぶように指示。何度もサイド攻撃でフェイズを重ねた末に、比較的狙いやすい位置からボークの右足が3点を奪った。

「結果を残せたことはよかったですが、ゲインライン付近のコリジョン(激突)でのミスは課題に残ります。どうしても、今季はここで前に出たいので」と神鳥裕之監督。

 フルタイムのホーンが鳴り、笛が鳴れば終了となるロスタイム。NECが猛攻の末、紙一重のキックパスがタッチを割った。

「反則をしていたらPGもあった場面。そこが昨年よりも良くなっている部分…我慢です」と中村。

 しつこくフェイズを重ねるスタイルにも、当然のようにミスなくボールを供給し続けた。SHは副将の山本昌太、アジア枠で出場可能な香港代表ジェイミー・フッド、さらにルーキーの高橋敏也と9番を争う。

「競争できるのはいいことだとプラスに考えたい。まだ成長したいので」

 名門・草ヶ江ヤングラガーズから数えると23年目のシーズン。東福岡高時代から才能を言われてきた男がブラックラムズ浮上の鍵を握る。

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ノーサイド直後勝利を喜ぶSOコリン・ボークとLOロトアヘア ポヒヴァ大和(撮影:松本かおり)
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