単純作業は禁止!医師が教える「午後2時以降の睡魔に勝つ方法」
「寝不足で疲れがとれない」「眠気がつきまとって集中できない」「ベッドに入っても、しばらく眠れない」……。
日本のビジネスパーソンの3人に1人は、このような睡眠に関する悩みを抱えているといいます。
『一流の睡眠「MBA×コンサルタント」の医師が教える快眠戦略』(裴英洙著、ダイヤモンド社)では、医師であり経営者、コンサルタントでもある著者が、忙しいビジネスパーソンでも現在の生活スタイルを大きく変えることなく、効率的に睡眠をとるための方法を解説しています。
どれも医学的な根拠に基づいているので、いままで睡眠の改善がうまくできなかったという人も効果が期待できそうです。
今回は本書のなかから、「午後2時~4時」の睡魔に打ち勝つ方法をご紹介します。
■1:午後2時~4時の間に単純作業をしない
車の居眠り事故が多いのは、「夜半~早朝」と「午後2時~4時」の2つの時間帯だということが調査によって明らかになっています。この時間帯は誰でも眠気が強くなる「魔の時間帯」なのです。
ですから仕事をスケジューリングする際は、この時間に単純作業を持ってくるのはNG。ますます眠気が強くなりパフォーマンスが上がりません。パソコンのディスプレイをずっと見るような仕事や、資料を読み込む仕事も眠気を誘います。
この時間をうまく使うには、コピーをとる、営業に出る、他部署にヒアリングに行くなど、体や口を動かす「アウトプット」の仕事にあてることがポイント。
会議ではメンバーが緊張感を持って参加できるよう、積極的に意見を促しましょう。どうしても眠くなるなら、思い切って立って会議をするのもひとつの手です。
■2:コーヒーを9時・12時・15時に飲む
カフェインを摂ると、睡眠誘発作用のある「アデノシン」という物質の働きをブロックすることができます。それにより自然な眠気を抑えることができるのです。
カフェインの効果が出やすいのは、アイスコーヒーよりもホットコーヒー。アイスコーヒーは冷たいため吸収が遅くなりがちなので、あまり即効性は期待できないということ。
そしてコーヒーはガブガブ飲むのではなく、カフェインの血中濃度が薄くなるタイミングで飲むのがいちばん効率的。
健康な人の場合、2時間半~4時間半くらいで血液内のカフェイン濃度が最高値の半分になるため、「9時・12時・15時」の3回コーヒーを飲むのがおすすめだそうです。
ちなみに飲み物100mlあたりのカフェインの含有量はコーヒー60mg、栄養ドリンク50mg前後、紅茶30mg、煎茶・ほうじ茶20mgとなっています。
■3:周囲の目を気にせず20分間昼寝をする
カフェインの摂取よりも眠気覚ましに効果があるのは、「昼寝」だといいます。
午後2時~4時は人間の生体リズムとして、眠くなることが避けられません。さらに昼食をとることによって、目を覚ます働きのある「オレキシン」というホルモンが抑制されてしまうので、ますます眠気を感じるというのです。
ですから、午後によいパフォーマンスをするためには、昼食を腹八分目にすること。そして昼寝をすることが有効。
昼寝に必要な時間は25分。実際に寝るのは20分で、残りの5分は冷たい水で顔を洗ったり、階段を1フロア分上がったりするなどして完全に覚醒させるために使います。
昼寝の時間は20分を厳守しましょう。20分以上寝ると脳は熟睡モードに入り、昼寝後も眠気が続いたり、かえって疲労が増したりします。
とくに若い人は入眠から深い睡眠に入るまでの時間が比較的短いため、30分で熟睡してしまう可能性が高いとか。体内リズムが乱れる原因にもなるので、必ず20分を守りましょう。
会社で昼寝をして「周囲からどう見られているだろうか」と気にしていると、効果は半減してしまうそうです。「午後からのパフォーマンスを落とさないために昼寝している」と考え、勇気を持って昼寝しましょう。
■4:ミント系のガムを10分間しっかり噛む
手っ取り早く眠気を覚ましたいなら、ガムも有効。
ガムを噛んでいるときと、噛んでいないときに簡単な記憶テストをすると、ガムを噛んでいるときは脳の中で記憶や学習をコントロールしている前頭前野の脳血流量が増えている部位があったそうです。
またミント系のガムはストレスを緩和させることもわかっています。10分以上連続で咀嚼することで効果が高まるので、集中したいときやストレスを和らげたいときはミント系のガムを10分間噛むのがおすすめです。
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ランチを食べた後の会議やパソコン作業で、思わず眠りそうになった経験は誰にでもあるはず。午後2時から4時は誰でも眠くなるものであるならば、それを見越したスケジューリングを心がけたいですね。
著者は「睡眠」は、最短で一流のビジネスパーソンに近づくための、最強のスキルだと述べています。これを身につけない手はありません!
(文/平野鞠)
【参考】