訪日留学生の奨学金制度の内容は？ 文部科学省が設けている奨学金制度の実情
■外国人留学生を支援する奨学金制度
日本政府(文部科学省)は訪日する外国人留学生を支援する奨学金制度として以下の7つのプログラムを実施し、『独立行政法人 日本学生支援機構』(JASSO)がその実績について「日本留学奨学金パンフレット2016-2017」というレポートにまとめています。
1． 研究留学生
2． 教員研修留学生
3． 学部留学生
4．高等専門学校留学生
5．専修学校留学生
6．日本語・日本文化研修留学生
7．ヤング・リーダーズ・プログラム留学生
どの学校に留学するか、また研究対象となるものが何かがそのまま名前になっていますので分かりやすいですね。1なら「大学において専攻した分野を日本で研究したいという希望を持ち、大学をすでに卒業した、あるいは卒業見込みの人」が対象です。
2は日本で教員研修を行いたいという人が対象です。「大学または教員養成学校を卒業した者で、初等・中等教育機関の現職教員、自国の教員養成機関の教員および教育行政機関の教育専門職員(ただし、在職期間を5年以上とする)」とあります。
読者の皆さんと同世代の若者が対象となるのは、主に3の「学部留学生」ですね。「学校教育における 12年の課程を修了した者、または高等学校に対応する学校の課程を修了した者、または見込みの者」とあります。高校を卒業した外国人の皆さんが日本の大学に留学するのを支援するわけです。
分かりにくいのは7の「ヤング・リーダーズ・プログラム留学生」でしょう。これは行政、ビジネス、法律、地方行政、医療行政の分野において、日本で学びたいという外国人を支援するプログラムです。「大学卒業者」「実務経験のある者」「アジア諸国等の若手の行政官等」を対象としています。
■支援される奨学金の金額は？ 何人ぐらい採用されている？
それぞれのプログラムで奨学金がいくら支援されているのかを見てみましょう。
●支給される奨学金の金額
1． 研究留学生
2． 教員研修留学生
1 、2とも⇒非正規生：月額14万3,000円／修士課程：月額14万4,000円／博士課程：月額14万5,000円(地域加算あり)
3． 学部留学生
4．高等専門学校留学生
5．専修学校留学生
6．日本語・日本文化研修留学生
3、4、5、6とも⇒月額11万7,000円(地域加算あり)
7． ヤング・リーダーズ・プログラム留学生：月額24万2,000円
上記、月額支給金額の他に、
・旅費：往復航空券を提供
・宿舎：大学が設置する留学生宿舎、公益法人等が設置する留学生宿舎等を利用
・学費：入学検定料、入学金および授業料は徴収しない
という特典もあります。日本政府(文部科学省)の日本留学生向け奨学金制度はなかなか手厚いものといえるのではないでしょうか。この支援が行われる期間は以下のとおりです。
●奨学金が支給される期間
1． 研究留学生 非正規生：2年以内／正規生：標準修了年限以内(日本語教育が必要な者は6カ月を加算)
2． 教員研修留学生 1.5年以内
3． 学部留学生 5年(医学・歯学・獣医学または6年制の薬学専攻者は7年)
4．高等専門学校留学生 4年(商船学専攻者は4.5年)
5．専修学校留学生 3年
6．日本語・日本文化研修留学生 1年以内
7．ヤング・リーダーズ・プログラム留学生 1年
『独立行政法人 日本学生支援機構』(JASSO)の「日本留学奨学金パンフレット2016-2017」によれば、2015年の採用人数の実績は以下のようになっています。
●奨学金制度の採用人数実績
1． 研究留学生：2,500名程度
2． 教員研修留学生：100名程度
3．学部留学生：150名程度
4．高等専門学校留学生：50名程度
5．専修学校留学生：50名程度
6．日本語・日本文化研修留学生：500名程度
7．ヤング・リーダーズ・プログラム留学生：80名程度
人数を合計すると「3,430名」程度となりますので、日本政府(文部科学省)では多数の外国人留学生を支援しているといえるでしょう。これら外国人留学生の皆さんが、留学によって日本のことをよく理解するようになってもらえるとうれしいですね。
⇒データ出典：『独立行政法人 日本学生支援機構』の「日本留学奨学金パンフレット2016-2017 日本政府(文部科学省)奨学金」
http://www.jasso.go.jp/ryugaku/study_j/scholarships/__icsFiles/afieldfile/2016/03/29/scholarshipsj_mext.pdf
(高橋モータース＠ｄｃｐ)
