ウォシュレットを盗難?中国人観光客による”泥棒旅行”の実態

デイリーニュースオンライン

中国で炎上する自国民の犯罪行為 (C)孫向文/大洋図書
中国で炎上する自国民の犯罪行為 (C)孫向文/大洋図書

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。

 10月1日は中華人民共和国の国慶節(建国記念日)に当たる日で、中国国内は国慶節を境に一週間程度の連休シーズンに突入します。この時期に多くの中国人観光客が訪日するのはここ数年恒例になっていますが、実は混雑を避けるためと観光シーズン中の宿泊代などの高騰を回避するために、10月中旬に時期をずらして訪日する中国人は珍しくありません。今回は彼らが起こした二つの問題を紹介します。

■中国人犯罪者は処罰するべき

 2016年10月19日、浙江省寧波市発の日本観光ツアーに参加した30代の中国人夫妻と1人の子供が、名古屋市の「東横インホテル」に宿泊した際、ベッドの下に置いてあったトイレのウォッシュレットをキャリーボックスに入れて無断で持ち帰ったことを、中国の複数メディアが報道しました。

 ホテル側は、犯人は盗難が発生した部屋に宿泊した中国人家族だと判断し、ツアーの添乗員はホテルから緊急連絡を受け家族を問いただしました。しかし、家族側は自分たちが犯罪を行ったことを強く否認したため、添乗員はホテルに「冤罪ではないか」と返答したのですが、ホテル側がさらなる調査を求め添乗員が家族の手荷物を調べ上げた結果、彼らが盗んだウォッシュレットが見つかりました。

 その後、家族がウォッシュレットを返却し謝罪文をホテルに送ったことにより、事態は終結したのですが、本来ならば窃盗罪を適用するべきであり、僕は日本側の対応は寛大すぎると感じました。

 翌日の10月20日、中国のSNS「微信」上に一人の中国人男性が、「上野の森美術館」においていたずらを行ったことを自慢する投稿がアップされました。

 投稿内容を見ると、「美術館のゴッホ展に訪れた際、展示されている絵画に手を触れ顔料が乾いていることを確認した」、「美術館のスタッフが見ていなかったため、絵画の中の人物を指で凹ませた」、「次に絵画の中の女性を触ろうとした時、スタッフがやってきた」、「もしもスタッフがいなかったら絵画を持ち帰るつもりだった」といったことが書き込まれており、投稿直後ただちに炎上しました。

 もしこの話が真実ならば明らかな軽犯罪であり、僕は美術館側には防犯カメラを確認してもらいたいと思います。

 上述の二つの事態に対し、「こんな奴らは外国に行くな!中国人の恥だ!」、「(外国で)中国人とばれたら差別されそう。これから海外旅行に行く時は台湾人や香港人になりすましたい」、「これじゃ中国人が海外で差別されてもしょうがない。悲しい民族だ」、「便座を持ち帰るなんて汚いな!」、「大きなウォッシュレットを盗むなんて、我が同胞も度胸があるよね」、「窃盗は犯罪だけど、これも抗日のためですか?」などと、自国民のマナーの悪さに対し皮肉を言ったり怒りを訴える意見が多く寄せられました。

 一方、偏狭的な反日層からは「捏造だ! 普通美術館では絵画をガラスで囲っているじゃないか!(中国の一般的な展示方法)」「中国人を貶めようとする連中の仕業」と弁解じみた擁護意見が寄せられたのです。

 現在、中国では個人旅行者向けの観光ビザが緩和されており、今まで団体ツアーに組み込まれていなかった日本の施設に、今後多くの中国人が訪れることが予想されます。

 その際、古民家や寺社の建物に落書きするなど中国人たちが悪質ないたずらを行うことを僕は不安視しています。日本の観光庁は警察や入国管理局と連携して中国人観光客の個人情報を綿密に把握し、犯罪を行う可能性のある人物には永久的な入国禁止措置を適用するべきだと思います。

著者プロフィール

漫画家

孫向文

中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の33歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。新刊書籍『中国が絶対に日本に勝てない理由』(扶桑社)が発売中。

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