嵐の公演は50倍?現役転売屋が語る”ジャニーズチケット”の闇市場
東京ドームを筆頭に、大きな会場で行われるコンサートには「ダフ屋」と呼ばれるチケットを売る人が跋扈していた。最寄りの駅から会場までの道のりに多く並ぶ姿は、お決まりの光景だったものだ。
それが今では、ネットを介してチケット売買ができる「チケットキャンプ」など、チケットを入手する方法が増え、ダフ屋を見ることが少なくなった。こうした転売サイトを利用し、グレーゾーンの転売ビジネスでお金を稼ぐ転売屋が存在するわけだ。
「転売はよっぽどバカじゃない限り儲けは出せます」
と語るのは、ある現役の転売屋だ。
「転売は最初にチケットを買うための資金さえあれば、誰でも儲けられます。最近ではその資金を融通する金主もいるくらい。もちろん、ミスをしないやり方や、効率よく稼ぐ方法はありますけど。僕は主にジャニーズを扱ってます。ジャニーズのチケットは転売屋の入り口にもなるくらい、儲けやすいです」
■儲けのポイントは住所の数?
誰でも儲けられる──そう豪語する転売屋の、儲けるためのポイントがあるという。
「人気のチケットって、結局当たる当たらないの運の部分もあります。ここが儲けるポイント。ファンクラブって通常、一つの住所で一口しか入会できないのですが、いっぱい入ってたら当たる確率も上がりますよね? だから安い部屋を契約したり、友人の家を月々1万円とかで借りて、ファンクラブの入会口数を増やす。外れた時のリスクと当たった時の儲けを計算しながら、増やしたり減らしたりするんです。今までの経験上、基本的にチケットがどれだけ外れても、年間で考えると一つの住所で約50万円は儲けられますよ」(前出・転売屋)
さらに、こんな荒稼ぎのチャンスも。
「ジャニーズのチケットは、ステージに近い席が当たった時の儲けが凄い。嵐は特にすごい人気ですから、定価約1万円のチケットが50万円になることもありました。その分当たりにくいワケですが……」(前同)
熱心なファン心理に付け入った商売で生計を立てる転売屋。ファンやマニアからの需要は高いものの、彼らの行為は完全なる違法行為で決して許されるものではないことを付け加えておく。
- 文・橘カイト(たちばな・かいと)
- ※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相!禁忌都市伝説』(ミリオン出版)ほか多数。