朴槿恵大統領は「お告げ」で金正恩氏と闘っていたのか (2/2ページ)

デイリーNKジャパン

韓国大統領府も政府も当初は「開城工業団地の閉鎖は、制裁の手段ではない」との姿勢を示していた。2月7日の国家安全保障会議では、閉鎖の件は全く議論されなかった。ところが、10日の国会安全保障会議で急遽閉鎖が決定される。決定以前の8日または9日に、朴大統領が独断で閉鎖を決断していたというのだ。

この突然の発表によって工業団地で操業していた企業は、生産設備などを残して撤収せざるを得ない状況に追い込まれ、莫大な損失を被った。ハンギョレによると、ミル財団のイ・ソンハン事務総長が、崔氏やその愛人の元ホストらが参加していた裏の閣議、俗に言う「秘線会議」で工業団地閉鎖の件も議論されていたと証言したという。

崔氏の友人によると、彼女はこの時期、「今後2年以内に朝鮮半島が統一される」と口にしていたという。そして、最近の朴大統領の言動や対北強硬姿勢の裏には、崔氏の「お告げ」を基にしたアドバイスがあったのではないかという見方が強まっているのだ。

ちなみに韓国では占いが盛んだが、同じ事は北朝鮮にも言える。北朝鮮は建前上は社会主義国家であり、占いなどの非科学的な風習を一切禁じている。しかし、90年代中頃からはじまった大飢饉によって社会不安が蔓延したことを背景に、盛んに行われるようになった。

トンジュと呼ばれる新興富裕層は、大きなビジネスに取り組む前に「商運」を、金正恩氏の恐怖政治に怯える高級幹部たちは自分たちの行く末を、さらには金正恩党委員長についても占ってもらう。その結果、ある占い師の「お告げ」から、「金正恩2019年終末論」が拡散したこともあるぐらいだ。

もしかすると、朴槿恵大統領はなんらかの不安感にさいなまれ、崔順実氏の「お告げ」に頼ったのかもしれない。だとすると、実にお粗末な政策運営だ。なによりも朴氏の大統領として資質を疑わざるをえないことを「崔順実ゲート」は物語っている。

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