三代目JSBが年末賞レースから消えた?”レコ大疑惑”で業界に激震広がる
TBSが放送を続けている『日本レコード大賞』が“1億円買収疑惑”で大揺れになる中、早くも年末賞レースに異変が起きている。同じくTBSが放送している『第49回 日本有線大賞』(12月5日放送)の各賞エントリーが11月16日に発表されたが、疑惑の渦中にいる“EXILE一族”を擁する芸能プロ「LDH」のアーティストが完全に消えてしまったのだ。
LDHは同賞だけでなく年末賞レースからの完全撤退すらささやかれ、疑惑に見舞われた『日本レコード大賞』の打ち切りが囁かれるなど、音楽業界は大混乱の様相を呈している。
■追及逃れで「レコ大」打ち切りの可能性も
「昨年の『日本有線大賞』はLDHの大黒柱である三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEが初の大賞に輝いた。演歌勢が受賞することが多い中、LDHは2008年にEXILEが大賞を受賞するなど同賞と縁が深かった。今年は三代目の2連覇、さらに若手グループのGENERATIONSのエントリーが期待されていたが、大賞候補となる有線音楽優秀賞はおろか、部門賞にも所属アーティストの名が一切ない。これは異常事態といっていいでしょう」(スポーツ紙記者)
この“異変”の原因が『日本レコード大賞』をめぐる”買収疑惑”にあることは想像に難くない。
10月末に『週刊文春』(文藝春秋)が、昨年末の『日本レコード大賞』において三代目J Soul Brothersに大賞を獲らせるため、所属事務所のLDHとレコード会社のエイベックスが“芸能界のドン”こと周防郁雄社長(75)率いるバーニングプロダクションに審査員への“裏工作”を依頼していたと報道。その証拠として、「年末のプロモーション業務委託費」という名目の税込1億800万円の請求書まで掲載した。
疑惑の当事者であるLDHやエイベックス、バーニング、TBSはいずれも報道に対して沈黙を貫いている。しかし、その一方で報道直前にLDHは社長のHIRO(47)の退任を突然発表し、さらに同誌の追撃記事で「レコ大のドン」と呼ばれる日本作曲家協会会長の叶弦大氏(78)が「このような事態になったことは大変遺憾で、主催者として大変申し訳なく思っています」などと完全降伏で謝罪を表明。疑惑に対する世間の視線は厳しいものになっていた。
そんな中でさらなる「クロ」の補強材料になってしまいそうな『日本有線大賞』からの撤退。当然ながら『レコード大賞』へのエントリーも難しく、大晦日のNHK『紅白歌合戦』出場すら危うくなっている状況だ。
「LDHやバーニング、エイベックスが絡んでいるために大手メディアは萎縮して疑惑を一切取り上げず、このまま『なかったこと』にしようという流れすらあった。しかし、年末の音楽賞に関係している芸能界の重鎮たちは想像以上に『文春』報道にピリピリしている。それは追及が拡大すれば、昨年だけでなく過去の『買収疑惑』や『癒着疑惑』を暴かれかねないためです。結果、重鎮たちは“トカゲの尻尾切り”のように年末の賞レースからのLDH一派の排除を決めたようです。さらに『レコード大賞』自体を打ち切りにして、ウヤムヤのまま疑惑追及から逃げようとする動きまである」(芸能関係者)
■「紅白」の判断次第で風向きは変化する?
報道後も三代目メンバーをはじめとしてLDH一派はテレビ出演を多数こなしているが、これも潮目が変わってしまう危険性があるという。
「もしNHKが裏金疑惑を問題視し、大晦日の『紅白歌合戦』からLDH一派が消えることになれば、疑惑は半ば『事実』として扱われかねない。そうなると民放各局も態度を変えてくるはずです。巻き添えを食いたくない芸能界の重鎮たちもLDH一派の排除を後押しするでしょう。下手すれば来年から三代目やEXILEのメディア露出が極端に減少する……といった事態も起こり得る」(前出・芸能関係者)
LDHといえば、元社員が役員から土下座の強要やラーメン10杯の完食を強制されるなどのパワハラ被害を告発したこともあったが、それも大手メディアでは一切触れられなかった。メディアを抑え込む事務所の強大さを感じさせていたが、今回はそう簡単にいきそうにない気配。わずかな期間で芸能界の一大勢力にまで成り上がったLDHは今まさに正念場を迎えているようだ。
- 文・佐藤勇馬
- ※個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、ネットや携帯電話の問題を中心に芸能、事件、サブカル、マンガ、プロレス、カルト宗教など幅広い分野で記事を執筆中。著書に「ケータイ廃人」(データハウス)「新潟あるある」(TOブックス)など多数。