「ミスター・長嶋茂雄」を育んだ佐倉ものがたり(4)“ゴミ屋敷”騒動の真実 (2/2ページ)
夫人を大腸ガンで亡くし、家の中は手が行き届かぬようになっていた。そのため、翌年、“御殿”を壊し、家を新築したのである。
武彦には一男一女があったが、それぞれ独立し、家を出た。1人残された武彦は肺炎をこじらせ、2011年に帰らぬ人となり、家は無人と化したのである。
しかし、根本は心配していない。
「家の跡取りである武ちゃん(武彦)の長男は、高校の英語教師をしており、目が回るような忙しさらしく、たまにしか佐倉に来れず、物置小屋にまで手が回らなかった。子供たちの進学が一段落すれば、ここに戻ってくると話していますから、きちんとやってくれるでしょう。先日も、ご近所に『お騒がせしてすみません』とお詫びの挨拶をしていましたから」
女性週刊誌の後追い記事も出て、“ゴミ屋敷”騒動に巻き込まれた長嶋だが、こう笑い飛ばしている。
「だいじょうぶ。放っておけば、メディアというのはいずれ静かになるもんですよ‥‥」
松下茂典(ノンフィクションライター)