市川海老蔵では視聴率取れず?テレ東・新春ドラマから時代劇が消えたワケ
11月27日、テレビ東京本社で新春スペシャルドラマ『釣りバカ日誌 新入社員 浜崎伝助 伊勢志摩で大漁!初めての出張編』(1月2日放送)の記者会見が実施された。濱田岳(28)と西田敏行(69)の“ハマちゃん&スーさんコンビ”が注目を集めた一方、長年新春ドラマの枠を担ってきた時代劇は放送なし。今回の交代劇の背景には、歌舞伎役者・市川海老蔵(38)が主演をつとめる時代劇『石川五右衛門』の大爆死も起因している様子だ。
■時代劇はコリゴリ?連続爆死を回避か
過去に西田が浜崎伝助を演じて人気を集めた「釣りバカ日誌」シリーズ。2015年10月に伝助役が濱田に代わってテレビドラマ化され、さらに新春ドラマに今回選ばれたことで、世代交代の成功を印象づけた。
一方で暗い影を落としたのが時代劇だ。「釣りバカ日誌」の新春SPが放送されるのは、本来「新春ワイド時代劇」の枠。会見に出席した浅野太プロデューサーは今回の交代劇に関して「時代劇が終わったわけではない。先々、いい企画があれば、やることもある」などと説明。今後の時代劇復活に含みを持たせた。
現在テレビ東京で展開している時代劇といえば、海老蔵が主演をつとめる『石川五右衛門』。海老蔵の13年ぶりの連ドラ主演ということで話題を集めたものの、10月放送の第1話は平均視聴率は6.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)とふるわず、その後は第5話が3.0%を記録するなどゴールデン枠で大爆死。11月25日放送の第7話はついに、『所さんのそこんトコロ!&海老蔵 石川五右衛門&たけしのニッポンのミカタ!超合体4時間スペシャル!』と題したスペシャル番組の一部に取り込まれた。
「バラエティ番組と連動して少しでも注目度を高めようという狙いもあるだろうが、こうすればドラマ単体の視聴率が分からない。制作スタッフからすればやや屈辱的な采配だろう。テレ東幹部からすればもっと頭の痛い事案。一時的に“時代劇恐怖症”になっていてもおかしくない」(報道関係者)
そんなテレ東は現在、六本木の3丁目に移転したばかり。移転プロジェクトを始動し、世論調査を反映した特別企画番組を展開中。9月には宮部みゆき(55)や湊かなえ(43)、真山仁(54)の小説をテレビドラマ化。人気の深夜ドラマ『勇者ヨシヒコと導かれし七人』や数々のバラエティ特番も展開されている。25日の『石川五右衛門』第7話が取り込まれたSP番組も、同プロジェクトの一環として放送されたものだ。
「心機一転という意味で、色々変えやすいタイミングであることはたしか。また現在のテレ東がやたら視聴率にこだわるのは、『テレビ局は豪華な社屋に移転すると不祥事が発生したり視聴率が低下したりする』という業界のジンクスを打破したいから。新春ドラマの一件は、『石川五右衛門』が爆死しなければきっと状況が違っていたでしょう」(前出・報道関係者)
テレ東が本当に恐れているのは、“海老蔵ショック”が伝染し、呪いのジンクスに悩まされることかも!?
- 文・阿蘭澄史(あらん・すみし)
- ※1974年滋賀県出身。フリー記者。某在京スポーツ紙の契約記者を経て、現在は週刊誌等で活躍中。主な著書に『真相!アイドル流出事件簿』(ミリオン出版)、『事務所をクビになった芸能人』(竹書房)、『芸能人のタブー』(宙出版)など。