職務停止の韓国・朴槿恵大統領を無理やりホメてみた

デイリーニュースオンライン

朴槿恵大統領の「今後」に注目が集まる。
朴槿恵大統領の「今後」に注目が集まる。

「夜も眠れず、こんなことをするために大統領に就任したのか? と思ってしまうほど、辛い思いばかりしている」(注1)

 みずから任期の短縮を申し出たが、そんなことでは国民が全く収まらない。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の進退は、ここに窮まった。

 もちろん理由は、友人と称する崔順実(チェ・スンシル) が朴槿恵大統領の発言や政策までも操っていたという国政介入疑惑(注2)。いわゆる<崔順実ゲート>だ。

「大統領の任期を短縮。来年、早めに選挙を開催する約束で収束を図るも、連日数万人単位でデモを繰り返す韓国国民の怒りは募るばかり、ついには弾劾訴追を受ける可能性が高くなった(12月8日時点)」(韓国通ジャーナリスト)

 就任当初は韓国国民の80%が「朴槿恵大統領に期待」していた。それがセウォル号事件の失態などで支持率を落とし、崔順実ゲートによって5%を割るまでに至ってしまった。まさに<水に落ちた犬は打て>のことわざ通り。悲惨な運命を辿った韓国歴代大統領(注3)の列に、朴槿恵大統領が続くことが決まったかに見える。

 そこで、<惻隠の情>という伝統を持つ日本人としては、去りゆく朴槿恵大統領のいいところを考えてみた。日本からの目線で。

■朴槿恵は日本に何をもたらした?

外交(日本以外)

 米国、ヨーロッパ、中国など。朴槿恵大統領は行く先々で、「日本は過去も現在も悪い」といった話を、韓国と相手国の案件以上に吹聴。<告げ口外交>と揶揄されたが、中国以外まともに取り合う国は無かった。自国の問題より日本への恨み言を重視する国と各国首脳(中国以外)に印象付けたことで、日韓関係のイビツさを世界にアピールしてくれた。

外交(対日本)

「1000年恨む」談話で始まり、売春……もとい慰安婦像なるものを次々に建立。2015年末に「最終的かつ不可逆的に解決」したはずだったが、相も変わらず<慰安婦が安倍首相に詫び状を要求><ユネスコ記憶遺産へ慰安婦の登録を画策>といった動きを放置した。産経新聞記者の拘束なども含め、韓国が法治国家と呼べるものではなく、感情のみで動く国であると改めて感じさせてくれた。

経済

 過度の輸出依存や中国経済への傾倒の失敗、さらに国家経済の4割を占める財閥の不振が表面化。韓国経済の先行きが暗くなったためか、恥も外聞もなく、韓国側から中止にした<日韓通貨スワップ>(注4)再開を経済界に求めさせた。しかし朴槿恵大統領の権力基盤が崩壊したため、日本側から慎重論が噴出(注5)。無駄金を使うリスクを軽減してくれた。

 まだまだあるが、どうだろう? 

 異常な関係性だと認識し、約束はアテにしない、慎重に距離を置かなくてはならない。朴槿恵大統領(政権)は反面教師として韓国との付き合い方を教えてくれた、とも言える。

 今後の朴槿恵大統領がどうなろうと、日本は彼女の教訓を忘れない──という必要もないか……。なぜなら後任の大統領が誰であろうと、何も変わらないだろうから。

(注1)「辛い思い」…2回目の国民向け談話にて。
(注2) 国政介入疑惑…崔順実の父親がまず朴槿恵に接触した。
(注3) 韓国歴代大統領…死刑判決を受けたり、自殺したりと悲惨な例が数多い。
(注4) 日韓通貨スワップ…通貨危機の際に、主に米ドルを融通しあう二国間条約。しかし日本には不要なため、ウォン救済(保証)の側面が強い。
(注5) 慎重論…「(日韓通貨スワップ再開の)交渉は停滞している。誰が話を決めるか分からない。交渉のしようがない」(麻生財務相)

著者プロフィール

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コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ

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