北朝鮮は金正男氏の遺体を引き取ってどうするつもりなのか (2/2ページ)

デイリーNKジャパン

かつて北朝鮮に共鳴して韓国で左翼運動を行い、その後、北朝鮮批判に転じて保守政党の国会議員となった河泰慶(ハ・テギョン)氏は、国会の緊急最高委員会で「北朝鮮が金正男氏の遺体引き渡しを要求しているのは『剖棺斬屍』を行うため」だとの見方を示した。「剖棺斬屍」とは、一度埋葬した遺体を掘り起こし、八つ裂きにするなど遺体を損壊する、中世に行われていた極刑中の極刑だ。

正男氏が海外メディアとのインタビューで、北朝鮮の3代世襲と金正恩氏の統治能力を公然と批判したり、金正恩氏から下された帰国命令に応じなかったりしたため、極刑に処す可能性があるということだ。

北朝鮮では1990年代後半に万単位の人々が処刑されたり追放されたりした大粛清「深化組事件」で、農業委員会のキム・マングム委員長が反党・反革命分子のレッテルを貼られ、剖棺斬屍にされたとも伝えられている。

また、正恩氏が政権の座についてから、処刑方法は徐々に残忍さを増しているという指摘もなされている。

河氏の指摘は現状、何ら根拠のないものだ。ただ、正恩氏がこれまでやってきたことが、人々にそのような想像をさせてしまうのも事実だ。

いずれにしても、遺体は家族の元に帰らせるのが当然の結論と言える。もし、正恩氏が「自分は正男氏の弟であり、家族である」と言うのなら、まず故人の死を悔やむメッセージを発信し、マレーシア当局の捜査に全面的に協力すべきだ。

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