他人の評価が気になるのは“アザコン”かも? 原因と症状をチェック
勉強にせよ、仕事にせよ、結果が求められます。「多くの人に評価されたい」という欲求は誰にでもあります。
しかし、他人の目を気にしすぎるあまり、「アザーコンプレックス(アザコン)」になってしまうことがあります。
今回は医師に、アザーコンプレックスになってしまう原因から、その克服方法などを解説していただきました。
アザーコンプレックスとは
「マザーコンプレックス」「ロリータコンプレックス」などの「コンプレックス」とは、フロイトやアドラーが提唱した用語で、ある事柄と感情が一体となっていることを意味します。
例えばマザーコンプレックスでは、母親という存在と、子どもが母親に対して抱く愛着がセットになっています。
「私は鼻の形がコンプレックスで」という場合、鼻の形と劣等感がセットになっているというような意味です。
アザーコンプレックスはマザーコンプレックスをもじった言葉で、他人からの評価が気になりすぎる状態を指します。
特に他人からの評価を得ようとして身の丈以上の生活を装い、実生活がおろそかになったり借金をしたりして家庭崩壊するような事例が問題となっています。
アザーコンプレックスが増えた背景
社会情勢の複雑化に伴い、自分に自信が持てず、これでいいのか?と常に思っている人が増えています。
また、インターネットやスマホの普及により、自分の生活や考えを発信したり、他人の評価を目にする機会が増えていることも原因と考えられます。
アザーコンプレックスの原因
「テストで何点だったから誉める」「他の子より優れているから誉める」という状態だと、結果を出せないと認められないのではという感情が子どもに生まれ、自己評価が低くなり、他人の目を気にすることにつながります。
結果や相対評価で誉めるのではなく、努力したこと自体を誉め、子どものあるがままの存在全体を認めるようにすることが重要です。
大人
自分の軸がなく現状に不安を感じていると、他人の目が気になる原因となります。
アザーコンプレックスの症状
子ども
親や周囲の顔色を伺い、悪い結果を隠そうとしたり、自分に自信が持てなくなり、新しいことに挑戦するのを控えるようになります。
大人
体面を取り繕おうとして、お金を使いすぎたり、本来行うべき業務に力を割けなくなります。
アザーコンプレックスの疾患リスク
アザーコンプレックスの人は、対人関係に ストレスを感じやすくなり、自律神経のバランスが崩れ、交感神経の作用が強くなります。
その為、以下のような症状を引き起こす場合があります。
・ 頭痛
・ 不眠
・口渇
・多汗
・ 不整脈
・倦怠感
・ 動悸
また、自律神経の乱れによって、ストレス性の疾患になりやすくなるとも考えられています。
病院でのアザーコンプレックスの治療法
考え方自体を矯正することは難しいですが、カウンセリングなどで自分の認知のゆがみに気づくよう働きかけたり、不安や不眠などの症状に対しては投薬を行うこともあります。 アザーコンプレックスの克服法とセルフチェック
自分の興味を持てるものに打ち込み、自分なりに自信が持てる得意分野や趣味の世界を持ちましょう。
アザコンセルフチェック
□ 他人の言葉の裏が気になり、悪い意味に解釈してしまう
□ 自分はこれでいいのだという自信がなく、他人といると居心地が悪い
□ 外面を取り繕うために必要ないものを買ってしまい、その出費が家計を圧迫している。 アザーコンプレックスの人への接し方
その人の持ち物や外見を誉めるのではなく、その人自身や努力を認めるようにします。
「その服いいね」ではなく、「あなたに合っているね」と言った方がよいでしょう。
最後に医師から一言
他人の目が気になるのは誰にでもあることで、どこからが病的なものかは線引きが難しいです。
しかし、家庭生活や社会生活が困難になるようであれば対処が必要と思われます。
(監修:Doctors Me 医師)