あるぞ! 早実・清宮幸太郎いきなりメジャー挑戦 (2/2ページ)

週刊実話

'12年ドラフト会議では進路をメジャー1本に絞ったが、強行指名された後、態度を一変させた。'08年には田澤純一(マーリンズ)が日本野球機構(NPB)側との交渉を完全拒否し、海外に渡っている。
 この『田澤問題』以降、NPBは当該選手が日本球界に復帰する際、「大卒・社会人は2年、高校生は3年」の間、契約できないとするハンデを設け、今日に至っている。
 「その是非はともかく、日米間には有力ドラフト候補を獲らないとする紳士協定があります」(同)
 それでも、近年のドラフト候補たちは「メジャーリーグへの憧れ」を臆することなく口にしている。その影響で「特定球団以外は入団しない」とダダをこねる選手は激減したが、「復帰にペナルティーを掛けた条文が効果を喪失するのは時間の問題」と見る関係者は少なくない。仮に清宮のような影響力の大きい球児が「自分の夢を抑えられない」と表明した場合、日米紳士協定は一気に瓦解してしまう可能性がある。

 「早実の練習が公開された3月7日、清宮は『オルティス流』の練習を取り入れている旨も話してくれました」(スポーツ紙記者)
 「オルティス」とは、通算541本塁打を放った元メジャーリーガー、デービッド・オルティスのことだ。打撃時に右肩が開かないようにするための練習を指すが、きっかけは昨秋の東京大会決勝で5打席連続三振を喫したことだった。練習方法、課題をすべてメジャーに置き換えて考える点からしても、相当な思い入れがあるのだろう。

 また、その5打席連続三振を喫した後の明治神宮大会決勝戦でのことだ。早実は清宮に対抗する好スラッガー・安田尚憲のいる履正社(大阪)と対戦した。その両選手を視察していた阪神・畑山俊二統括スカウト補佐が試合後、記者団に囲まれ、こう語っていた。
 「清宮はメジャーの打者みたい。日本でああいう打ち方をする選手はなかなかいない」

 プロのスカウトならではの目線だ。清宮の打撃フォームが特異に映るのなら、NPB、早大のどちらに進んでも改造の指導を受ける。ならば、ペナルティーを覚悟で挑戦したほうが自分の意志を貫けるはずだ。
 「NPBは今回の侍ジャパンの選手招集において、田澤にも声を掛けています。メジャーに挑戦しても、東京五輪出場の夢は消えません。マイナーでも頑張っていれば、五輪に招集される可能性はある。メジャー球団は国際試合出場に難色を示しますが、むしろ、メジャーに昇格していないほうが拘束されずに済みます」(ベテラン記者)

 野球人生の選択は「日本一」の第一段階をクリアできるか、どうかで変わってくる。目標を達成したとき、退路を断つ。
 いきなり世界へ挑戦してこそ怪物だ。

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